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October 31, 2004

水底の歌

水底の歌―柿本人麿論 (上)
梅原 猛

新潮社
1983-02
売り上げランキング 24,630

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水底の歌―柿本人麿論 (下)
水底の歌―柿本人麿論 (下)

柿本人麿というと、百人一首にも歌が採用され、万葉集にも作った歌がいくつも採用され、古代日本の大歌人として知られている人です。しかしその生涯はもとより、生年、没年もはっきりとはしていませんでした。この本はその柿本人麿が誰だったのか、彼はどういう最期を遂げたのかに迫った本です。

柿本人麿というと百人一首の歌(声に出して読んでみるととても流麗な感じのする美しい歌だと思います)とか、子供のときに養父に向かって「私が知っているのは敷島の道(和歌のことらしい)だけです」と宣言したとか、断片的なことしか知らなかったのですが、この本の作者は「柿本人麿」というのが変名で本名は実は他にあったとか、彼が非業の最期を遂げたのではないか(「水底の歌」というタイトルの意味はここにあります)などという推理を、史料を元にして進めていきます。柿本人麿は確か持統天皇から文武天皇の頃の時代の人だったと思いますが、身の処し方を一歩誤れば身の破滅につながるきわどい時代だったようですね。柿本人麿だけでなく、この時代に暗殺・粛清された人々は数知れませんし、そういう人たちの作った歌も万葉集に数多く収録されているそうです(ただの和歌集ではなく非業の死を遂げた人々の鎮魂歌集に近いのかも)。日本の歴史に興味のある方にはお勧めの本です(古代日本も戦国時代並みに激しい時代だったと言うことがよく分かります)。

*この本もそうなんですが、読んでいて見え隠れするのは当時の大政治家・藤原不比等(のちの平安時代に最盛期を迎える藤原氏の始祖)の存在です。自分の名前は決して出さず、ひそかに当時の政治を操っていたのではないかと言う気がしてきます。

*この本の作者・梅原猛氏は日本の歴史に関係した著作をいくつも出していますが、その中では「聖徳太子」「神々の流竄(ルザン) 」がお勧めです。

神々の流竄(ルザン)
神々の流竄(ルザン)

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October 30, 2004

バード

バード
クリント・イーストウッド デヴィッド・バルデス

ワーナー・ホーム・ビデオ
2004-06-18
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「バード」というのは、40年代に活躍した天才アルトサックス奏者、チャーリー・パーカーのニックネームなのだそうです。この映画はチャーリー・パーカーの伝記をクリント・イーストウッド監督が映画化したものです。

主人公は妻・チャンと結婚し、子供も生まれ、アルトサックス奏者として次第に名を成していきます。後には招かれて海外公演もするようになるのですが、私生活は名声とは裏腹に麻薬やアルコールに溺れ(一度は麻薬常習で逮捕され、演奏するためのライセンスを危うく失いかけます)、我が子を失うなど決して順風満帆とはいえないものでした。主人公が亡くなった時、医者は実年齢を数十歳上回る推定年齢を出したそうです(それだけ麻薬に蝕まれていたのでしょう)。天才と言われるほどの人は才能の代わりに何か(この場合は私生活での幸せ)を差し出さなければならないのか、アーティストとして生きると言うことは麻薬やアルコールに逃げたくなるほど緊張を強いられるものなのかなどいろいろ考えさせられる作品でした。劇中に挿入されている演奏も良いです。ジャズのことは全く知らずにジャケットの雰囲気だけ見て選んだのですが、ジャズを知らない人にもお勧めできる映画だと思います。

*主人公の妻・チャンの演技も良いです。妻子があっても主人公の抱えるものを救ってはやれなかったわけですが...。

*主人公が白人のバンド仲間と共に南部に巡業に行ったとき、「殺されるかも」としり込みする仲間のために彼を「アルビノ」として紹介するシーンには笑ってしまいましたが、当時はやっぱり笑い事ではなかったんでしょうね。

*チャーリー・パーカーの演奏もCDでかなり出ているようです。

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October 27, 2004

長いお別れ

長いお別れ
レイモンド・チャンドラー

早川書房
1976-04
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友人の失踪。ふと知り合い、わずかに言葉を交わしただけではあったが私立探偵フィリップ・マーロウにとってはかつて逃亡を手助けした男の失踪だった。マーロウは失踪の謎を解くため調査を始めるが妨害の手が伸びて...

ハードボイルドの古典ではないかと思う、「長いお別れ」です。主人公は軽口(というより毒舌)を叩きながら持ち前の行動力で少しずつ核心に迫っていきますが、せりふがほんと良いですね。この作品で使われているせりふをいつか自分でも使ってみたいと思いながら、いざ使おうとするとなかなか難しいものです。主人公はついに核心に到達するのですが、真実は何とも苦いものでした。ハッピーエンドでもなく、かといって悲惨なラストでもなく、こんな終わり方もこの作品には合っていると思います。

*ところで、この作品で一人称として使われている「ぼく」ですが、「俺」とも違うし「私」でもないし...。英語なら一つの言葉で済んでしまうんですが、日本語は難しいものですね。

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October 26, 2004

ジョー・ブラックをよろしく

ジョー・ブラックをよろしく
ブラッド・ピット

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
2004-09-29
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65才の誕生日を目前に控えた大富豪(演じるのはアンソニー・ホプキンス)はある日突然死神(演じるのはブラッド・ピット)から死の宣告を受ける。死神は寿命を延ばすのと引き換えに大富豪の案内で人間の生活を楽しむことにするが、思いがけなくも大富豪の娘と恋に落ちて...

珍しくブラッド・ピットが正統派の美男子を演じる映画です。ただ美男子と言うだけではなくて、死神(最初のうちは人間的な表情もほとんどなく、非人間的な感じが出てます)と人間の青年(大富豪の娘と最初に恋に落ちます。事故にあうシーンはちょっとムゴイ)との演じわけも出来ててうまいですね。脇を固める大富豪役がアンソニー・ホプキンスなのですが、こちらも相変わらずのうまさです。せりふも良いのが多くて、冒頭の「人は稲妻に打たれたように恋に落ちるものだ」ってせりふ(うろ覚えですが)も良いと思いましたが、「税務署と死神からは逃れられない」ってせりふも笑ってしまいました。ラスト、ヒロインが青年に向かって言う「あなたを父に会わせたかった」というせりふも万感の思いがこもっていて印象に残ります。ラブストーリー好きの方にはお勧めの映画です。

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October 24, 2004

第六天魔王信長

第六天魔王信長〈上〉織田信長
羽山 信樹

角川書店
1987-09
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第六天魔王信長〈下〉織田信長

「第六天魔王」というのは、仏典に出てくる悪魔の王で、仏教修行者を色や欲で惑わしその修行を妨げる悪魔なのだそうです(確か釈迦の修行を最後まで妨害し続けたとか何かの本で読んだ気がする)。武田信玄から来た手紙に「天台座主沙門信玄」と署名されていたのに対抗して織田信長が自らを「第六天魔王信長」と署名して返信したのだそうです(この呼び名をご本人は気に入っていたみたいですね)。

主人公は殺さなければ殺される、隣国を攻めて領土を広げていかなければ隣国から攻め込まれるという過酷な戦国の世に生を享けます。信じられるものなど何一つなし。いや、主人公の場合にはありました。竹千代(のちの徳川家康)との心の通い合い(後年になって猿=のちの豊臣秀吉も信じられるものに加わるのですが)。主人公は親兄弟にすら殺されかけます。今川義元を撃破し、武田家を長篠の合戦で破って天下人への階段を駆け上っていく主人公ですが、心には深い傷を負ったままでした。その傷が敵に向かえば「敵を練りひばりのようにすりつぶしてやる」と言うほどの憎悪になり、竹千代に向かえば自分と家族のどちらをとるのかという叫びになるのですが(家康は信長の猜疑にあって妻子を殺させる羽目になります)、常識人の明智光秀にはそれが最後まで理解できませんでした。そして理解できないまま主人公と明智光秀は本能寺を迎えます。主人公は自分が愛してやまなかった炎の中に消えていくのですが、傷つき病んだ魂を救ってやるには現世のくびきから解き放つしか手段がなかったのかもしれません。

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October 23, 2004

ガス人間第一号

ガス人間第一号
三橋達也 佐多契子 八千草薫 野村浩三 左卜全 本多猪四郎

東宝
2002-01-25
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銀行を次々に襲撃し現金を奪う男・水野。彼は警察をあざ笑い、自分の体をガス状に出来る能力を誇示して留置所からゆうゆうと逃走して行った。水野の望みはただ一つ、舞踏の師匠・藤千代の舞踏の発表会を開催することだった。水野の執念は実り、警察の包囲網の中で舞踏の発表会が始まった...

東宝の特撮映画というとどうしてもまず怪獣ありき、特撮ありきというイメージを持ってしまうのですが、人間ドラマの舞台装置として特撮が使われている映画もかなりありました。この「ガス人間第一号」はそんな映画の一つです。
科学者の人体実験に使われた結果、精神集中することによって体をガス化できるようになった主人公。いったん警察にわざと捕まってみせてから留置所で自分の能力を誇示し、その場からガス化して逃走(当然服は置き去りなわけですが、別の場所に用意してあったんでしょうか?)。これだけだったらモンスターと化してしまった自分をもてあまし、行く末には破滅しか待っていないのではないかと思わせるのですが、主人公には生きる目的がありました。愛する女性のためにどうしても金が必要だったのです(このあたり、「オペラ座の怪人」を連想させます)。主人公の望みはかない、ようやく舞踏の発表会にこぎつけます。警察の包囲網の中で観客などいるわけでなく、踊る藤千代、それを満足げに見守る主人公...。その行き先に待っているものが分かりきっているのに。この踊りのシーンはまるで心中物の道行きのようです。そしてラスト、全ては終わり、そして藤千代もガス人間も消えていきます。この映画はSFを舞台道具に仕立てた、現代の心中物に思えてならないのです。

*観終わった後も考えてしまうのが、果たして藤千代(演じるのは八千草薫。美しい!)は主人公を愛していたのだろうかということ。おそらく愛してはいなかったのでしょうが、かといって拒絶もしていなかったんですよね...

*同じようなカテゴリーで東宝はいくつかの映画を送り出していますが、「ガス人間第一号」と並んで「マタンゴ」もお勧めです。
マタンゴ
久保明 ウィリアム・H・ホジスン 本多猪四郎 水野久美 小泉博 佐原健二

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October 22, 2004

光の六つのしるし

光の六つのしるし
スーザン・クーパー , 浅羽 莢子

発売日 1981/01
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イングランドの少年ウィルは、11歳の誕生日に自分が「光」の「古老」の1人であり、「闇」との戦いのため光の六つのしるしを探す役目を負っていることを知る。「闇」の妨害をかいくぐりながら六つのしるしを探すウィル。光の六つのしるしはどこにあるのか?

みどりの妖婆」、「灰色の王」、「樹上の銀」と続くファンタジー、”闇の戦い”シリーズの第1作です。古代から連綿と続く光と闇の戦い。そして自分が光の「古老」として闇と戦う運命にあることを知った主人公。心は先に目覚めても体はまだ11歳のままですから、家族もあるし周りからは普通の子供としか見られていない。そんななかでも予言に従って六つのしるしを捜さなければならないわ、闇から妨害は受けるわで(闇にも当然予言は伝わっていますから、闇も予言の成就を阻もうとするわけです)主人公の奮闘が続きます。アーサー王伝説を下敷きにしたシリーズですが、この作品ではまだアーサー王伝説というよりはケルト伝承の雰囲気が強いですね。クライマックスに出てくる狩人も最初は挿絵の異様さにびっくりしましたが、読み直して見るとこれもケルトの雰囲気たっぷりです。スコットランドやウェールズのイメージとはまた少し違いますが、ケルト伝承に興味のある方にはお勧めの本です。

*アーサー王伝説の映画というと、エクスカリバーが思い浮かびます。こちらはアーサー王伝説を忠実に映像化した映画です。こちらもお勧めです。

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October 21, 2004

大巨獣ガッパ

大巨獣ガッパ

発売日 2004/07/09
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南太平洋の孤島・オベリスク。日本から来た調査団は、島の少年の止めるのも聞かず巨獣・ガッパの子供を捕獲して日本へ連れ帰る。怒り狂った親ガッパは子供を取り戻すため日本に襲来。日本はガッパによって蹂躙される...

日本の怪獣映画というと東宝や大映を思い浮かべてしまうのですが、当時の怪獣ブームに対抗して日活や松竹でも怪獣映画を送り出していたのです。そのうち日活が製作したのがこの「大巨獣ガッパ」です。このガッパ、親子愛や夫婦愛を強調するためかどことなく可愛らしい造形になっています(それでも陸海空で大暴れしますから実力は十分です)。親ガッパは子供に食べさせるためにタコをくわえて日本にやってくるし(このタコ、なんとなくユデダコっぽいんですが熱線で調理したんでしょうか?)、親子対面のシーンも泣かせます。なんせガッパ自身まで泣いてしまうんですから。ラストは親子仲良くふるさとへ帰っていくシーンで終わるんですが、オープニングの主題歌「がっぱ~、がっぱ~」と島の少年の「いけない、ガッパ怒る!」がいつまでも耳に残って離れない映画です(笑)。

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October 20, 2004

ミクロの決死圏

ミクロの決死圏
アイザック・アシモフ , 高橋 泰邦

発売日 1971/04
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政府要人を緊急手術することに。しかし病巣は脳で、通常の外科手術では手が出せない場所にあった。政府は治療チームを結成し、彼らを小型化して要人の体内に送り込むことで病巣の手術を行おうとする。刻々と迫るタイムリミット。思いもよらないアクシデント。果たして治療チームは無事にミッションを果たし、下界に戻ることが出来るのか?

今となっては古典ともいえるSF映画「ミクロの決死圏」のアイザック・アシモフによるノベライゼーションです。外科手術では不可能な治療をどうやって行うか?それには外科医を小型化して体内に送り込めばよいというアイデアには脱帽です。今だって小型の胃カメラを体内に入れてポリプを切ったりするのですから、発想としては同じですね。小型化した人間には周囲がどう見えるのかという描写も面白いです。そして、体内アドベンチャー(笑)にはお約束の思いもかけなかったハプニング、裏切り、そして恋。この作品には冒険ものの要素が全て詰まっています。タイムリミットがくれば小型化の効果が切れて元の大きさに戻ってしまうという設定も、体外への脱出にはらはらどきどき感をプラスしてくれて楽しめます。ラストでじゃああの先生はいったいどうなったんだとか突っ込みどころもあるのですが、人体めぐりと迫りくるタイムリミットのスリルを楽しめる作品です。

*この作品のもとになった映画「ミクロの決死圏」もその映像が当時大いに話題になったそうです。ただ、「驚異の映像」はなまものと同じで、時が経てばどうしても色あせてしまうのは避けられませんね...
ミクロの決死圏

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October 19, 2004

マーズ・アタック!

マーズ・アタック!

発売日 2003/12/06
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地球に火星人が出現! ネバダ州の砂漠で人類は火星人と対面する歴史的な瞬間を迎える。しかし、ひたすら友好的に迎えようとする人類に対し、火星人はいきなり虐殺を始めた。ここに人類と火星人との戦いの火蓋が切って落とされるが、人類は苦戦を強いられ...

ストーリーだけ見るとよくある侵略もののSF映画に見えますが、なんといっても監督があのティム・バートンです。平和の象徴のはずのハトが戦争のきっかけとなるとか、世界の歴史的遺産をおちょくって回る火星人、それに意外な火星人の弱点など、実に毒のある設定がてんこ盛りです(こういう映画大好き)。一番印象に残るのは火星人が変装した女スパイです。監督の奥さんが演じたそうですが、あの動きを人間が演じたとはとても思えない。金魚を食ってしまうところもあの動きならやりかねないと納得してしまいます(笑)。ラストも火星人を撃退した後の勇壮なマーチが流れるかと思いきや、なんとも脱力してしまう歌が流れてきて、最後までひねくれた設定に笑える映画です。毒のあるひねった設定にも笑える方にはお勧めの映画です。

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October 18, 2004

日本沈没

日本沈没 (上)
小松 左京

発売日 1995/04
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日本沈没 (下)
小松 左京
日本海溝で発見された異変。日本列島に何が起ころうとしているのか? 地球物理学の権威・田所博士は日本列島が近い将来に海底に沈むことを予見し、博士の意見を取り上げた日本政府は極秘にある計画をスタートさせる。日本各地で地震が頻発し、東京も壊滅的な打撃をこうむる中、田所博士たち計画のメンバーは必死の活動を続けるがついに日本列島が沈む日が...

長い間日本列島で暮らしてきた日本人。島国根性とかよく言われますが、その基盤となる日本列島がもし消える運命にあったら...この本はそんな「考えたくない未来」を扱ったSFです。日本人を出来るだけ外国へ逃れさせることに情熱を傾けるもの、日本列島と運命を共にするもの、そして日本列島から逃れ、明日をも知れぬ運命に直面する大多数の日本人...自分がこんな運命に直面したらいったいどんなことになるのだろうかと考えさせられてしまう本です。よく国際人とか言いますが、アイデンティティの基盤となる国土がなくなってしまったら日本人はいったいどうなるのか?作者は日本列島が海底に沈んだ後の日本人の運命も書く予定だったそうですが、その作品が出たらそちらもぜひ読んでみたいものです。

*この作品を原作として作られたのが映画「日本沈没」です。当時かなりの話題になったそうです。なかなか良いパニック映画ですが、ラスト近くの日本列島の模型から出ているタバコの煙だけは正直要らないと思う。
日本沈没

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October 17, 2004

天地創造

天地創造

発売日 2002/04/05
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タイトルは「天地創造」ですが、実際には天地創造から失楽園、ノアの箱舟、ソドムとゴモラ、バベルの塔、そしてアブラハムに至るまでの旧約聖書の世界を映像化した映画です。日本にも日本書紀をもとにした映画「日本誕生」がありますが、天地創造のほうは一切脚色なし。聖書の世界を忠実にたどっています。ノアの箱舟やバベルの塔のシーンはCGのなかった当時ですから実際にセットを組んだのだと思いますが、やはり本物はCGとは質感が違いますね。特に大雨で全てが押し流されてノアの箱舟のみが残るシーンは迫力あります。聖書なんてほとんど読んだことがなかったのですが、聖書に興味がなくてもスペクタクルシーンだけで楽しめる映画です。

*ところで、知恵がついたから人間を楽園から追放、天まで届く塔を人間が作り始めたから言葉をばらばらにして妨害、自分への忠誠を試すために息子を生け贄にささげろと命令...って、旧約聖書の神はやたらに自分への信仰を強制するわりには人間が少しでも変わったことをするとすぐさま妨害にかかるようなイメージなんですが。えらく嫉妬深い、人間的な神様ですな。

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October 16, 2004

金持ち父さん貧乏父さん

金持ち父さん貧乏父さん
ロバート キヨサキ , 白根 美保子

発売日 2000/11/09
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いま本屋にあふれているいわゆる「金持ち本」の火付け役になったと思うのがこの本です。この本の著者は自分に大きな影響を与えた二人の父親、「金持ち父さん」(著者の友人の父親。自分のビジネスにせっせと投資。のちに億万長者となった)と「貧乏父さん」(著者の実の父親。高学歴。長年月給取りとしてせっせと働いたが、一生お金の問題に悩まされた)を比較し、サラリーマンでは資産は増えない(なぜなら税金や社会保険を天引きされるから)、金持ちになりたいなら自分のビジネスを持って(自分がそこにいなければ回りださない「仕事」ではなく、自分がそこにいなくても収入を生み出す「商売」という意味合いのようです)、自分のビジネスに投資すべきだと説いています。自分にとっては読んでいて自分の好きなことを仕事に選ぶべきだというところには大いに共感しましたし(ただし、「ビジネス」は別に持ったほうがよいというのが著者の主張です)、持ち家は資産とはいえない(収入を生まないから)という主張も新鮮でした。

*この本では「では、具体的にどうするのか?」の部分はあまり出てきません。著者は不動産投資を勧めていますが、これは著者が結果的に不動産投資で成功したというところを割り引いて考えたほうがよいと思います(成功したと言っても一時はホームレス生活を余儀なくされたようです。そのままホームレス生活から抜け出せなかったらこの本も出なかったでしょう)。具体的な部分になると「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門」のほうが参考になると思います。

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October 15, 2004

ブラジルから来た少年

ブラジルから来た少年

発売日 2004/01/23
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ナチ残党狩りの組織に属する捜査官は65歳の公務員ばかりが次々に殺されるという奇妙な(しかし大掛かりな)暗殺計画の存在を知る。この情報をもたらしたジャーナリストが殺されたため、捜査官が暗殺計画を調べることになる。調査が進むうちに、暗殺計画の背後に潜む真実が次第に明らかになり...

最初はいったい何のためにこんな暗殺計画があるのかわけの分からない状態で物語が進んでいきます。特に重要人物でもない彼らが、なぜ?それにもまして分からなかったのはなぜこの計画にナチの残党がからんでいるのか?ということです。ところが、暗殺者リストに載せられた公務員たちにはよく調べるとある共通点がありました(しかしこの共通点、言われてみなければ、そしてナチスに詳しくなければまず思いつかないと思います)。そしてナチの残党が何をもくろんでいるのか...。タイトルの意味も最初は何のことだかさっぱり分かりませんが、ラストになってその意味が分かります。クライマックスの展開はかなり緊迫感がありますし、ラストも実に怖いです(だからといって血まみれのシーンは一切ありませんが)。タイトルからほのぼの映画を連想する方もいるかもしれませんが、まったく逆の緊迫感に満ちたサスペンス(ある意味ホラー)映画です。

*この映画、ナチの残党が多く南米に逃げて潜伏していたといううわさを元にしてたぶん作られているんじゃないかと思います。

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October 14, 2004

王家の風日

王家の風日
宮城谷 昌光

発売日 2001/03
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古代中国の王朝・商(殷)では新王・紂王が即位した。新王は聡明でありすぎたため新しい政策を性急に打ち出し、人々の反感を買い始める。その姿を横目で見ながら新興国・周は着々と力を蓄えつつあった。周の影で紂王への復讐の機会をうかがう太公望...。王朝は商から周へと交代しようとしていた。

紂王というと象牙で箸を作らせたとか、酒池肉林のエピソードとか、その他もろもろの残虐で贅沢を極めた末に周に滅ぼされた最悪の王というイメージで語られることが多いように思います。この本ではそれらのエピソードに新しい解釈をして、むしろ神聖な行事を執り行うためにそのような行為をしたと考えているようです。例えば酒池肉林の場合も神を呼ぶために酒と肉を用意し、巫女を集めて走らせたと考えるなど(酒池肉林の場合には結果から言うと商にとっては悪霊を呼び降ろしてしまったようなのですが)。一族を皆殺しにされた太公望(この人についても今までのイメージの「老人」とは異なり、むしろ若かったのではないかという説を提示してますが)、商の王によって息子を殺された周の王、商の滅びを予見し、手を尽くしながらも力及ばなかった宰相・箕子など、多くの人が歴史に登場しつつ時代は商から周へと移ろって行きます。多彩な人々が織り成す古代中国の叙事詩です。

*この小説では商の王が敵対する周の王の跡継ぎをかまゆでにして殺し、スープを作って父親(周の王)に飲ませるシーンがあるんですが、タイタスでも似たようなことをしてました。西洋と東洋の違いはありますが、敵対する相手への復讐手段として古代ではよくあるやり方だったんでしょうか。行為そのものも残虐ですが、相手の子孫を自ら絶やさせると言った意味合いもあるのではないかと思います。

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October 12, 2004

風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ

発売日 2003/11/19
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火の7日間と呼ばれる最終戦争によって大地が焼き尽くされた後の地球。腐海の拡大に押され、人類は残ったわずかな土地で長いたそがれの時代を生きていた。風の谷の族長の娘・ナウシカは、腐海を愛し、腐海の蟲たちとも心を通わせる不思議な力を持っていたが、大国トルメキアとペジテ市との争いに巻き込まれ...

最初に観たときにはそれまでとはかなり変わったデザインのメカ(他のアニメだとシャープな形のメカが多いんですが、この作品に出てくるメカって厚ぼったい形のものが多いと思います)、環境との共生というテーマ(今だったら当然みたいに出てきますが、これも公開当時はあまり話題になっていなかったと思います)、希望を感じさせる感動的なラスト、腐海に棲む不思議な蟲たち(モスラの幼虫に鎧をかぶせたような王蟲、ワンダフル・ライフに出てくるアノマロカリスにそっくりな奴までいます)に目が行ってました。今改めて観直してみると、この映画、かなり深刻なものを抱えていると思います。

映画でも説明されてますが、腐海の役目というのが汚染された大地を浄化することなのです。で、人類(動物たちも含む)は汚染された土地に住んで細々と生きながらえているわけですから、腐海からみれば浄化すべき存在です。腐海の中心部に浄化を終えた清浄な大地が出来つつあるからといって、そこに汚染された人類が移住すればどうなるか?浄化された土地に人類の居場所はないんじゃないでしょうか。このあたり、この映画よりずっと後に完結した原作でも出てきます。原作では浄化された土地に住むべき生物たちが時の来るのを待っていたのです(ラストでの主人公の選択も、よくある救世主ものとはちょっと違う選択でした)。映画では単に感動的なシーンでまとめられていますが、腐海の役目を人類が知ってしまったら全力を挙げて腐海を排除しようとするかもしれません(その点では、クシャナやペジテ市の考え方は間違っていないのかも)。こういうことを考えながら観ていたら感動どころではなくなってしまいました。

*宮崎駿による原作コミックも出ています。映画と同じような感動を期待するとちょっとテイストが違うかもしれません。

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October 11, 2004

メタルカラーの時代〈6〉

「しぶとい」モノ作り―メタルカラーの時代〈6〉
山根 一眞

発売日 2003/07
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日本の技術を支えるエンジニアたち(著者はホワイトカラー、ブルーカラーに対してエンジニアを「メタルカラー」と呼んでいます)へのインタビュー集の最新刊です(独立したプロジェクトについてのインタビューを載せているので、どの巻からでも読めます)。最新刊でも開発の苦労話、製品の原理を詳しく載せていますが(特に開発の苦労話なんて、こんなに詳しく載せてしまって良いのだろうか?)、この巻で一番印象に残るのは原油タンク掃除マシン(著者の命名は「スラッジバスターズ」)のエピソードです。実はこの装置の開発者の話が第一巻にも出てきていたんですが(開発者は亡くなられたそうです)、その後を引き継いでついに本格稼動が始まったのだそうです。機械が入らず人の手でするしかなかった非常に危険な仕事(照明もうっかりつけられないそうです)を機械化し、ずっと安全な仕事に置き換えたというくだりが非常に印象に残りました。このエピソードのほかにもノーベル賞受賞者の田中耕一氏へのインタビューや、スーパーカミオカンデに関わった方へのインタビューも収録されていて、こちらも面白いです。分厚いですが、写真や図も多いので読みやすいと思います。技術開発に興味のある方にはお勧めです。

*ところでこのシリーズ、雑誌に載っていたときのインタビューをテーマごとに再編集して本にまとめているようなんですが、むしろ雑誌に掲載されたインタビューをそのまま時系列で収録したほうが面白いと思います。取材のときに作者の興味がどこに向いていたのかも分かるし。

+「メタルカラーの時代」のシリーズですが、最近になって文庫版が出始めています(ただし、メタルカラーの時代〈6〉はまだ文庫化されていません)。

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October 10, 2004

ザ・ロック

ザ・ロック 特別版

発売日 2004/04/23
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神経性毒ガスを奪ったテロリストたちがアルカトラズ島を占拠!要求を飲まなければ500万人の観光客が毒ガスにさらされる。この非常事態に、FBIは化学兵器のスペシャリスト(演じるのはニコラス・ケイジ)とかつてアルカトラズ島に幽閉されていた男(演ずるのはショーン・コネリー)を送り込む。タイムリミットは40時間。間に合うか?

ニコラス・ケイジとショーン・コネリーのコンビが面白いです。ニコラス・ケイジが演じるのは化学兵器の取り扱いにかけてはプロだが肉弾戦は全く駄目のどこかへなちょこ雰囲気を発散する役どころ(毒ガスを扱う場面なんて、彼が取り扱いのプロだという設定なんですが実にはらはらさせられました(笑))、そしてショーン・コネリー御大が演じるのはアメリカの秘密を知ってしまったためにアルカトラズ島に幽閉されていた英国秘密情報部員(このあたり、聞いていてにやっとしてしまいます)。この二人がコンビを組んでアルカトラズに挑むわけですが、敵方を演じるエド・ハリスもうまいです。何の説明もなくいきなり降って沸いたように毒ガスを奪ったわけではなく、テロに至るまでの心境もちゃんと描かれています。敵方がしっかりしていないと主役の活躍も引き立ちませんからね。2時間近くあってかなり長い映画なんですが、その長さを全く感じさせません。アクション映画の快作だと思います。

*ところでラスト、ニコラス・ケイジがショーン・コネリーからプレゼントを受け取るんですが、あれがショーン・コネリーが幽閉されていた理由だったんでしょうか。

*ここまで書いていて、「亡国のイージス」のシチュエーションがこの映画に微妙に似ていることに気が付きました(あと、「沈黙の戦艦」にも)。こういうシチュエーションって、映画にしやすいのかも。

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October 09, 2004

チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷

チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷
塩野 七生

発売日 1982/09
売り上げランキング 13,477


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ルネサンス期のイタリア。ローマ法王アレッサンドロ六世を父に持つチェーザレ・ボルジアは、父の法王就任を期に自らの野望実現への道を踏み出す。それは分裂し、混乱を極めたイタリア統一への道だった。権謀術数の限りを尽くし、敵対するものを平らげて彼の野望は実現するかに見えたが...

ルネサンス期のイタリアなんてなじみが薄いですが、この本の主人公はマキャベリの「君主論」のモデルといったら想像がつくでしょうか。主人公の父親、法王アレッサンドロ六世も大変権謀術数に長けた、そして大変くだけた人物であったようですが(愛人に産ませた子が主人公たちです)、その息子もまた自分の欲望に忠実な人だったようです。主人公は自分の欲望のおもむくままにイタリア統一への道を突っ走ります。傭兵ではなく自分の兵を養成するとか、自分の妹ルクレツィアを政略結婚の道具にうまく使うとかいうあたりは日本の戦国時代の織田信長を連想させます(ただし、織田信長は自分の父親のバックアップが一切なかったのですが)。それが統一まで後一歩というところで主人公は(病気だったとはいえ)痛恨の失敗をしてしまうのです。野望の実現にまい進する姿とその後の凋落とのコントラストがものすごい。この失敗さえなかったら(というか、病気さえなかったら)イタリア統一は成功していたし、後のヨーロッパの情勢もずいぶん変わっていたかもしれません。

*ボルジア家というと毒薬でも有名ですが(敵対者を毒殺するのに自分の家で作り出した毒薬を使っていたといわれています)、星野 之宣によるコミック「妖女伝説 (2)」にもそのものずばりのタイトル「ボルジア家の毒薬」が収録されています。登場人物がかなりダブってますし、こちらもお勧めです。
妖女伝説 (2)
星野 之宣

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October 08, 2004

ファンタジア

ファンタジア

発売日 2004/02/20
売り上げランキング 3,495


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クラシック音楽の曲をもとに、ディズニーのアニメーターたちが曲を聞いて心に浮かんだイメージをそのままアニメ化したといわれる「ファンタジア」です。それぞれの曲に対するイメージ映像が、自分がその曲に対して持っていたイメージと似通っていることもあれば全く違うこともあって驚かされたりもします。観ていて印象的だったのはキノコたちの可愛らしいダンス(くるみ割り人形)と、カバとワニの集団(この組み合わせもなんか面白いですが)によるダンスのシーンでした。そしてラストはミッキーマウス主演による「魔法使いの弟子」。ミッキーふんする魔法使いの弟子がかけた魔法がとけなくなってしまい、慌てふためくところはホントに可笑しいです。今観るとちょっと展開がもたつくところがあるような気もしますが、BGVとしてずっと流しておいても良さそうな映画です。

*数年前にこの映画のリニューアル版「ファンタジア2000」も出ています。こちらの方もスタイルは同じですが、リニューアル版のほうがテンポは良いと思います。「魔法使いの弟子」もしっかり入ってます。2000の方では「ラプソディ・イン・ブルー」がお勧めです。
ファンタジア2000

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October 07, 2004

ご冗談でしょう、ファインマンさん

ご冗談でしょう、ファインマンさん (上)
R.P.ファインマン , 大貫 昌子

発売日 2000/01
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ご冗談でしょう、ファインマンさん (下)
R.P.ファインマン , 大貫 昌子
この本はアメリカのノーベル物理学者リチャード・ファインマンが書いたエッセイです。物理学者の書いた本といっても物理学の数式がずらずらと並ぶ小難しい本というわけではなくて、著者が好奇心いっぱいにいろんなことに首を突っ込んでみた時の話が盛りだくさんです。どのエピソードも面白いですが、特に印象に残ったのは金庫破りの話とバーでのナンパのコツです。金庫破りの話では確かに著者のいうやり方ならいつかは金庫は開くだろうけど、実際の役にはたたないだろうと思わせたり(どんな役に立つのかは問題ですが(笑))、バーでのナンパの話ではナンパ必勝術が明かされていて笑ってしまいました。もちろんただ面白いだけでなく、ファインマンがブラジルの物理教育のあり方について偉いさんに文句を言ったときのエピソードも収録されているわけですが。

読んでいて実に楽しいエッセイです。物理に興味のある人にもない人にもお勧めです。

*確かこの本の作者はスペースシャトル「チャレンジャー」の爆発事故のときの事故調査委員もつとめていたと思います。

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October 06, 2004

WATARIDORI

WATARIDORI コレクターズ・エディション

発売日 2003/11/07
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昆虫たちの小宇宙「ミクロコスモス」を製作した監督による、世界中の渡り鳥たちの姿を描いた映画です。数ヶ月、時には数年もかけて目的の地へ向けてひたすら飛び続ける渡り鳥たち。彼らはただ前だけを見つめて飛び続けます。ただ、黙々と飛んでいるわけではなくて、仲間と頻繁に鳴き交わしながら目は前だけを見つめています。よくこんなアングルで撮れたものだと思いますが、まず鳥たちを卵からかえして育て、ライトプレーンと一緒に飛ぶことに慣れさせていたようですね。そうやって鳥たちの表情は撮影スタッフが育てた鳥で撮影して、後で野生の鳥が飛んでいる風景と合成したようです(ということは、この映画はドキュメンタリーではないということかも)。鳥好きの方にはお勧めの映画です(ひたすら世界各地の渡り鳥たちの飛ぶ姿を映し続けているだけので、派手なアクションシーンやSFXがないと物足りないという方にはお勧めしません)

*この映画、日本ではタンチョウを取り上げています。あの優美なタンチョウのダンスが観られますが、着