December 31, 2004
人間が現れるはるか以前に地球を支配していたデーモン族。そのデーモン族が現代に蘇り、地球の支配権を人類の手から取り戻そうとしていた。不動明は親友の飛鳥了と共にデーモン族の手から人類を守るため、デーモン族の力と人間の心を合わせ持った存在・デビルマンになろうとするが、明だけがデビルマンになることに成功する。デーモン族から人類への宣戦布告は間近に迫っていた...。
決してうまいとはいえないが勢いと迫力のある絵、読み進むうちに人間不信になりそうなストーリーなど、どれを取っても強く印象に残る作品です。デーモン族は確かに人類に対して宣戦布告はしたのですが、人類は結局自分で自分の首を絞めて滅びてしまいます。一度目は核兵器で(こちらはもう少しと言うところで恐らくは旧約聖書に出てくる神と同じ存在によって阻止されますが)、二度目は疑心暗鬼による同士討ちで。主人公は当初はデーモン族から人類を守るためにデビルマンとなったのですが、当の人類から逆にデーモン族とみなされて追われ、守るべき存在であった牧村美樹をさえも暴徒によって失ってしまいます(このシーン、ホントにショッキングです)。そして、人類が滅びた後でサタン=デーモン族との最終決戦に臨むのです。もはや守るべきものは何一つないというのに。この世界を創った存在から見れば、人間など空き巣程度にしか見られていないというのも衝撃的でした。そしてラスト、全てが終わった地球のシーンは、聖書に出てくる最終戦争の後はこんな風なのかな...と思わせます(少なくとも人間にとっての救いなぞ、どこにもない)。小さいお子さんが見ればトラウマ&人間不信間違いなしの作品ですが、学生さん以降にはお勧めの作品です。
*シレーヌ、今見ても美しい...。
*原作のコミックと同時進行で放映されていたのがTV版のデビルマンです。こっちの方はコミックとはかなりテイストが違いますが(今考えると人類の運命は美樹ちゃん1人の存在にかかってるんですね)、最初の13話くらいはおどろおどろしい話が多かったように思います。特に妖獣ロックのエピソードはタレちゃんでなくてもちびりそうです。
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December 30, 2004
ベトナム戦争時にひそかに米軍兵士に対して使用されていたドラッグ「バナナフィッシュ」。その効果は人間の精神を蝕み、兵器へと変える恐るべきものだった。日本人の少年・英二はたまたま訪れたニューヨークでストリートキッズのボス・アッシュと共にバナナフィッシュをめぐる争いに巻き込まれていく...。
ベトナム戦争時には戦争の恐怖から逃れるために麻薬に手を出し、中毒になった米軍兵士が多かったと言う話を聞いた覚えがあります。こんなドラッグも実在したかもしれないと思わせる点でリアリティを感じますね。そしてそのドラッグをめぐって争う米国政府高官、マフィア、ストリートキッズたち。主人公アッシュもまたキッズポルノの犠牲者でマフィアに目をつけられて...と、アメリカの暗部をてんこ盛りにしたような設定です(アッシュとバナナフィッシュとのかかわりも)。前半でバナナフィッシュをめぐる争いが描かれるあたりはテンポも良いし読んでいてはらはらしました。後半になってアッシュと英二のラブストーリー(ホモシーンは一切出てきませんが)に重点が置かれるようになり、アッシュの天才性が強調されるあたりからバナナフィッシュが前面に出てこなくなって話がちょっとだれた感じになりますが、前半の部分だけ読んでも面白い作品です。
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December 28, 2004
このサイトにアクセスしてくださった皆様、ありがとうございます。
普段は本と映画を取り上げているこのサイトですが、12月30日から1月4日までは趣向をちょっと変えてコミックを取り上げる予定です。まだどの作品を取り上げるか決めていませんが、全部で5から6作品の予定です。
1月5日からはこれまでどおり本と映画を取り上げていきますので、こちらの方もよろしくお願いします。
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December 27, 2004
世界中にネットワークを張り巡らす宅配便。チャックは宅配便の企業でシステムエンジニアとして働いていたが、飛行機の墜落事故によりただ1人無人島に流れ着く。木と水以外は何もない島でチャックのサバイバルが始まった...。
某世界的宅配便企業とのタイアップ映画です(日本だと、「魔女の宅急便」をヤマト運輸が応援するようなもんでしょうか)。主人公はそこがロシアだろうがなんだろうが分刻み(いや、秒刻みかも)のスケジュール管理に走り回るエンジニア。飛行機で南米に向かう途中でなんと飛行機が墜落してしまいます。無人島に流れ着いたのは主人公だけ。ともかく食べて生きていかねばなりませんから主人公の必死のサバイバルが始まるわけですが(木を切っていて怪我をするんですが、ホントにあれは痛そうです)...。当初はとにかく生きることが最優先ですから無我夢中で月日が過ぎていきますが、ある程度落ち着いてくると自分が1人でいることが身に沁みてきます。それまでの時間に追われる生活が180度ひっくり返ってしまいますから、考える時間だけはたっぷりとありますし。レベルはかなり違いますが、それまで時間に追われて仕事をしていたのが急に仕事を辞めるとかなり似た感じになります(考える時間が急にしかもたっぷりと出来ますから、考えなくてもいいことまで考え始めちゃうんですよね)。主人公は4年間のサバイバルの末になんとか島を脱出し救助されるんですが、そこで彼を待っていたのはハッピーエンドとはいえないほろ苦い現実でした。
*主人公の唯一の友だったウィルソンがいい味出してます。
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December 26, 2004
江戸時代末期の土佐藩(高知)。寝小便垂れで学校にも行かず姉から教育を受けていた少年・坂本竜馬は、江戸の北辰一刀流千葉道場で剣術の修業に励むうちに幕末の世情に目を開かれていく。やがて討幕運動に身を投じ...。
幕末の動乱から大政奉還に至る期間に、まちがいなく倒幕側の立役者となっていた人がいました。その人が坂本竜馬です。家は裕福ではあったようですが、身分の高い侍と言うわけでもない(土佐藩では侍-上士-から見ると一段下の扱いとなる下士の家柄だったようです)。しかも途中で土佐藩を脱藩しますから、討幕運動に身を投じていた頃は一回の浪人でした。それでいながら幕府側の要人勝海舟に会いに行って弟子入りしたり(今で言うと日本の若者がパスポートもなしに出国して外国の大臣に会いに行くような感じでしょうか。でもそれで会ってくれるだけでなくて弟子にさえしてしまうんですから、江戸幕府も意外に大らかだったようですね)、のちには海援隊(私設の海軍みたいなものです)を組織して幕府側と戦うことになります。さらには同じ倒幕を目指していたのに当時犬猿の仲だった薩摩藩と長州藩を和解させ、同盟の音頭を取ったのもこの人でした。たった一人の人間が(金も身分も後ろ盾もないのに。しかも、30そこそこで)なぜあの時期に歴史を動かすキーパーソンとなりえたのか?こう書くとなんだかビジネス本みたいですが、竜馬の疾風怒濤の活躍ぶりを読んでいるだけでもワクワクしてくる作品です。ちょっと長めですが、20代前半くらいまでの方には特にお勧めの作品です。
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December 25, 2004
戦国時代の日本。大蛇丸に父と忍術の師を殺された雷丸は復讐のため忍術の修行に励む。そして自雷也と名乗り、大蛇丸に戦いを挑むが...。
忍者映画プラス特撮怪獣の楽しい映画です。忍者者につきものの、主人公に禁じられた恋をする娘もしっかり出てきます(この作品では大蛇丸の娘という設定になってました)。前半は忍者もので、忍術合戦を見るのも楽しいですが、クライマックスで出てくる怪獣たちも楽しいです。自雷也(雷丸)はガマに、大蛇丸は竜にそれぞれ化身して戦うのですが、どうしても竜のほうがかっこよく見えてしまいますな~。実際に竜のほうが強くて、主人公扮するガマは負けそうになります。主人公の設定が自雷也だからどうしてもガマに化身するしかないんでしょうけど。ガマ(蛙)、竜(蛇)とくると三すくみでナメクジが出てきそうですが、さすがにそれでは絵にならなかったのでしょう。主人公に恋する娘はクモに化身して主人公を助けます。忍者ものと怪獣の両方が好きな方には楽しめる映画です。
*主人公を演じているのが若き日の松方弘樹氏だったというのはつい最近になってから知りました。
*この映画に出てくるガマですが、どこかでお会いしたような...と思っていたら、「仮面の忍者赤影」にも出演していたのだそうです。あの作品も忍者プラス特撮怪獣の楽しい作品でした。
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December 24, 2004
ペット・セマタリー〈下〉スティーヴン キング Stephen King
田舎に引っ越してきた主人公一家。そこでは自然に囲まれ、のびのびとした暮らしが始まるはずだった。しかし、家の前は大型トラックがひっきりなしに通り抜け、事故にあう犬や猫が後を絶たなかった。ある日、主人公の息子までもが交通事故の犠牲となってしまう。「ペット・セマタリー」の話を知った主人公は...。
タイトル「ペット・セマタリー」は、大人ならば「ペット・セメタリー」と書くところです。大切な友達のペットを失った子供が書くから一文字間違ってしまって「セマタリー」。日本で言うと、「ペットのおはか」と書いてあって「お」の字だけが鏡文字になっているような感じでしょうか。この作品ではただペットのおはかと言うだけではなく、もっと恐ろしい意味が込められているのですが。主人公が失った息子のことを考えて将来は水泳選手になったかもしれないのに,...と思いを広げても現実に戻れば息子は戻ってこない。こんなときにペット・セマタリーのことを聞けばどうなるか。主人公と同じ行動をとる人は多いのではないでしょうか。それがどれほど恐ろしい結果になろうとも。主人公は一度は失った愛する者を取り戻すのですが、戻ってきたものはもはや主人公の愛する息子ではありませんでした。主人公は禁じられた行いの報いでさらに悲しみを味わうことになります。それでもペット・セマタリーにしがみつく主人公。恐ろしいと言うよりはやりきれない哀しみを感じさせる作品です。もしあなたが愛する者を失ったときに、ペットセマタリーの存在を知ったとしたら...。
*この作品を映画化した「ペット・セメタリー」も何ともやりきれない作品です。
ペット・セメタリーメアリー・ランバート
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December 23, 2004
近未来。地球でさえない生活を送る主人公は広告に惹かれ、自分の好みの夢を体験できるリコール・マシンで憧れの火星旅行を体験しようとする。ところがその装置が彼のもう一つの記憶を呼び覚ますことになり...
今となってはカリフォルニア州知事となってしまったシュワちゃん主演の作品です。封印された記憶では自分は何者だったのか? 答えを求め、主人公は火星へと向かいます。今まで自分が真実だと信じてきたもの(自分の妻や友人)こそが実は全くの虚構で(主人公が記憶を取り戻しかけて混乱しているときに友人と妻だと信じていた者たちが襲い掛かってくるんですから、主人公にとっては悪夢でしょう)、封印されていた記憶に隠されていたものは...。主人公にとってかけがえのないものと、思い出したくもないような過去の自分の両方でした。そして主人公はかけがえのないもののために戦う決心をします。映画自体も面白いですが、印象に残るのが映像です。なかでも変装がばれてしまい、おばちゃんの顔が割れてシュワちゃんの素顔が出てくるシーンとか、主人公とヒロインが空気の少ない火星に放り出されて目が飛び出しそうになるシーンとか(深海魚が釣り上げられると目が飛び出ているのと同じですな)、インパクトが強すぎてストーリーがかすみそうです(笑)。そうそう、音楽もなかなかです。
*この映画の原作がP.K.ディックによる短編「追憶売ります」です。原作と映画ではかなり感じが違いますが、ディックファンには原作がお勧め...かな。「追憶売ります」は「
マイノリティ・リポート―ディック作品集
」に収録されています。
*ところで、さえない主人公が自分の好みの夢を体験できるマシンで楽しむつもりが自分の本当の記憶を呼び起こしてしまった...って、よく考えるとコブラ(原作は寺沢 武一氏のコミック)の導入部にそっくりなのでした。テイストは全く違いますが(コブラのほうはアダルトなアメコミという感じです)。
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December 20, 2004
一つの町が赤ん坊と老人二人を残して全滅!原因は町の近くに落下した人工衛星に付着していた未知の病原体によるものと思われた。なぜ二人だけが生き残れたのか?病原体を防ぐ手立てはあるのか?答えを求め、科学者たちは必死の研究を始める...
「
ジュラシック・パーク」や「
ウエストワールド」で知られるマイクル・クライトンのデビュー作です。未知の病原体が人工衛星にくっついて地球に落ちてきた...という設定もワクワクしますが、病原体の拡散を防ぐために何重にも隔離された施設の中で必死の研究を続ける研究者たち(もちろん生き残った赤ん坊と老人も同じ施設にさらに厳重に隔離されたまま収容されています。全滅してしまった町は...町ごと全て焼却してしまったんでしょうね、多分)。生存者の世話をするときは防護服を着るんですが、あの服が何かの拍子に破けたりしたらさぞパニックになったことでしょう。時間に追われ、自分たちも感染の恐怖にさらされながら研究を続けるシーンがスリリングです。次第に謎が明らかになっていくにつれて安心もするんですが尻すぼみ気味になってくるところがちょっと残念です。
*この作品を原作にした映画「アンドロメダ・・・」もお勧めです。
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December 19, 2004
丘の上の家。ある日突然悪の権化ロック・ナーが現れ、少女1人を残して家族を惨殺する。そして自分の力を誇示するため、少女にいろいろのエピソードを見せていく...。
公開はかなり前ですが、一部ではカルトアニメとして有名だった(らしい)作品です。絵柄は完全にアメコミ。悪の権化ロック・ナーをめぐるさまざまな物語をオムニバス形式で見せていきます(ラストでなぜロック・ナーが少女を襲ったのかも分かります)。エピソードは全7話ですが、その中で印象に残るのは近未来の大都会(多分ニューヨーク?)を流すタクシー運転手のおっちゃんのエピソード、(多分第2次世界大戦中の)爆撃機をめぐるエピソードと最終話のターナのエピソードです。おっちゃんのエピソードではロック・ナーなんかいなくてもこの世は十分悪に満ちてるなーと思わせます(おっちゃんもなかなかハードボイルドです。女に甘いだけでもないし)。爆撃機のエピソードはロック・ナー様の本領発揮です。ちょっとゾンビ映画に似てるかも。そして最終話のターナですが、ヒロインは他のアメコミのヒロイン(例えばバーバレラやワンダーウーマンなど)とはえらい違いです。まず、全然しゃべらない(最後まで無言のままでした)。それに、最後まで1人で戦い続け、ロック・ナーを滅ぼし、自らもまた滅んでいきます。カッコイイです。全編SEXありバイオレンスありグロ描写ありで、清廉潔白正義の味方文科省推薦映画にはまずなりそうもない作品ですが(お子さんのいる家庭にはお勧めしません)、アダルトな雰囲気のアニメを観たいという方にはお勧めです。
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December 18, 2004
この本はよくあるトンデモ説をあげつらって喜ぶ本ではなく、地球への小惑星衝突、深海探検、国際救助隊などもろもろの話題をテーマとした科学の解説本です。
だからと言って数式満載の本ではないのでご安心を。まじめ一方の本と言うわけでもないので、この作品の著者がお勧めのようにグラスを片手にのんびりと読むほうが楽しめる本です。どちらかと言えば科学技術に関するエッセイ集というほうが近いのではないかと思います。ま、中にはSARS=宇宙から来たウイルス説か?なんてエピソードもあるのでトンデモ説も全く扱ってないと言うわけではないですが、このエピソードも読み物として読める範囲内だと思います。
個人的に読んでいて一番面白かったのは、ロシアの宇宙開発企業、
RSCエネルギア社についてのエピソードです。この会社、半官半民の会社で以前はロシアの宇宙ステーション「ミール」、今では国際宇宙ステーション(
ISS)の中のロシア区画の運用を担当している会社ですが、この会社の中にある博物館の見学許可を取ろうとして著者がRSCエネルギア社に書いた手紙が笑ってしまいます(でもあの会社、許可を出すのにやたらともったいぶるし訳の分からない理由で許可を出さないこともあるくせに、博物館の中身は意外としょぼいんですよ。私が見たときはミールのモックアップと焼け焦げた
ソユーズ有人宇宙船のカプセルが主な展示物でした。それだって一応説明用のプラカードはありましたが、ただ置いてあるという感じだったし)。ロシアの宇宙開発だけでなく
くじら衛星や軌道エレベータの話も出てきますし、肩のこらない科学エッセイを読みたいという方にはお勧めです。
*この作品の著者は有人宇宙システム株式会社(
JAMSS)のエンジニアです。それもあってサブタイトルに「最先端宇宙科学が挑む」とついたんでしょうが、正直メインタイトルはいただけないと思う。「トンデモ科学」とつくだけでサブタイトルに何が書いてあってもスルーしてしまう人は多いんじゃないでしょうか。
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December 17, 2004
この作品は、女優ロザンナ・アークェット(「
グラン・ブルー (グレート・ブルー)」に出演)が主に同世代のハリウッド女優たちと「仕事と家庭の両立」や「仕事のとり方」について本音で語り合ったドキュメンタリーです。
女優と言うとかなりかけ離れた生活をしていると言うイメージを持っていたんですが、彼女たちの抱えている悩みは女優でもOLでも女性なら皆抱えるであろう悩みばかりで、ちょっと意外でした。もっとも彼女たちの仕事に対する不満で「40代女性と言うと実に地味な服装の役しか回ってこない。実際には仲間の女優はみんなもっとカラフルな格好をしてるのに」というところは、やっぱり女優だなと思いましたが。仕事に対する不満でも、何かの賞を取っていても年を取っていると仕事が来ない...というところはリアルでした(確かにハリウッド映画って、男はともかく女の場合は若い女性ばかりが出てくる)。30から40代くらいの女性だって映画を相当に観るでしょうから、同じ年代の女性を主人公にした映画がもっと出てきても良いと思うんですが、このあたりは不思議ですね。
*前に働いていた会社の先輩(女性)が「この映画を観て元気をもらってる」と話していたのが今も印象に残っています。
*仕事と家庭の両立に頭を悩ませ、若い子にばかり仕事が回ってくる...と憤慨していても「自分たちの仕事はクリエイティブなんだ」と誇りを持っているところがイイです。
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December 13, 2004
ヒエログリフというのは古代エジプトで使われていた文字の一種で、「聖刻文字」とも呼ばれています。ピラミッドや王の棺に刻まれているようです。この作品は、ヒエログリフそのものの解説というよりはヒエログリフをめぐるエピソードを紹介しています。
ヒエログリフのアルファベットも載せられていますのでこの本だけでも自分の名前をヒエログリフで書くことくらいは出来そうですが、むしろ古代エジプトの文学作品「シヌヘの物語」や、古代エジプトでは文字の読み書きが出来る人間はごくわずかしかいなかったこと(このため、読み書きの出来ない人々が見よう見まねで作った「ヒエログリフもどき」なんてのもあるそうです)などのエピソードが面白いです。日本にも古代エジプトのコレクションを展示している美術館があるというのもこの本を読んで初めて知りました(倉敷の大原美術館やブリジストン美術館などにコレクションがあるそうです)。古代エジプトやヒエログリフに興味があって、ある程度背景も知っている人には楽しめる本だと思います(ヒエログリフを読んでみたいと言う人には期待はずれだと思う)。
*ヒエログリフに関しては日本でもたくさんの本が出ているようです。
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December 12, 2004
古代エジプト。ユダヤ人でありながらエジプト王室に拾われ、王子として育てられたモーゼ(演じるのはチャールトン・ヘストン)。モーゼは王の実子ラムセス(演じるのはユル・ブリンナー)によって素性を暴かれ、荒野に追放される。荒野でモーゼは神の啓示を受け、迫害を受けていたユダヤ人を連れてエジプト脱出を図る...。
ハリウッドが誇る歴史スペクタクル映画の一つ、「十戒」です。荒野で神の啓示を受けて(というか、自分のユダヤ人としてのアイデンティティに目覚めたんじゃないかと思いますが)同胞であるユダヤ人を解放しようとするモーゼ。印象に残るのはユダヤ人解放を拒否するラムセスに対して神が警告としてエジプト人の子供を殺してしまうシーンです(ユダヤ人の子供は前もって区別できるように連絡を受けていたので殺されなかった)。ラムセスの子も死んでしまうのですが、死んだ子を抱きかかえて古代エジプトの神に向かって我が子を蘇らせてみせろ!と叫ぶところは哀切です。
そしてクライマックス、紅海が割れるシーンです。モーゼ率いるユダヤ人の一行は紅海が割れた後に出来た道を通って無事海を渡りきることが出来たのですが、追っ手のエジプト兵は押し寄せる海に飲まれて壊滅してしまいます。ユダヤ人が紅海を渡る時にこわごわ海の壁を見ているところが面白いし(水族館みたいですね)、割れていた海が一気に元に戻るところも凄いです。
*ところでこの物語、エジプトを振り切ったのは良いんですが、ユダヤ人はこの後何年も砂漠をさすらう羽目になってしまうんですね。確かに信仰心の強いものは残るでしょうが、そこまで神への信仰心を要求されてもかなわんなーというのが実感です。
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December 11, 2004
この本は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)(当時の宇宙開発事業団(NASDA))の新型ロケット
H-IIAをひっさげてロケット打ち上げビジネスに参入しようとしていた2001年夏に五代富文氏(NASDAの元副理事長)と中野不二男氏(作家)が宇宙開発とそれをとりまく周囲の状況について「失敗」という観点から対談した内容をまとめた本です。
「失敗とは何か」の定義から、H-IIロケット8号機打ち上げ失敗のときに海中に沈んだエンジンの引き上げ、宇宙開発を進めるNASDAの組織論にまで話は広がっていきます。打ち上げに成功しても大して報道しないくせに失敗すると大喜びで報道するマスコミ(そういえば映画「
アポロ13」でも事故が起きたと知るとマスコミがわっと飛びついてましたね)。「今度失敗したら承知せんぞ」とすごんだとかいう政治家(お前がすごんでどうする)。それにもめげず打ち上げに向けて努力を続ける関係者(打ち上げを延期したときのエピソードで、打ち上げ前に最高責任者が担当者に一人一人声をかけていったらある担当者の返事がどうもおかしい、いつもとちがうというので打ち上げを延期したというのは印象に残りました)。海中から引き上げられたエンジンを徹底的に調査して得られたたくさんの知見(宇宙ものって失敗するとたいていは回収できないから、これは本当にラッキーな例だったと思います)。宇宙開発はロケットでも衛星でも本当に一品モノでしかも一発勝負、その上リカバリーをかけるには長い時間がかかるということがよく分かる本です。
*最近になって
H-IIAロケットの打ち上げ再開にようやくゴーサインが出ました。打ち上げに関わる人たちはこれからが正念場だと思いますが、あまり緊張せずリラックスしていって下さい。
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December 10, 2004
南洋に浮かぶ奇跡の島、インファント島。島の住民にあがめられている小美人(演じるのはザ・ピーナッツ)が悪徳興行師にさらわれ、日本へと連れ去られてしまう。島の住民たちは守護神「モスラ」を呼び出し、小美人の奪還を図る...。
東宝が誇る三大怪獣(と、自分で思っている)の1頭、「モスラ」です(ちなみに残りの2頭は
ゴジラと
ラドン)。ゴジラには戦争への怨念、ラドンには破壊の快感を強く感じたんですが、モスラはまた違って「ファンタジーの世界の主人公」というイメージを持ってます。モスラと小美人の住む島の名前が「インファント」ですし、モスラにひどい目に合わされる国の名前が「ロリシカ」(ロシリカ=ロシア+アメリカではあまりに露骨過ぎるから少し変えたんでしょうか。もっとも、ロリシカ国は最初にインファント島で水爆実験をやってますから、モスラにひどい目に合わされても自業自得だと言う面はありますが)。モスラが身にまとう色彩もきらびやかです(幼虫は地味ですが)。こんな派手な怪獣が空を飛び回るんですから、実際に見たら目がチカチカしてしまうかも(笑)。
ただファンタジーと言うだけではなく、破壊の快感もきっちり味あわせてくれます。この点ではラドンと同じですね。モスラもラドンも破壊するつもりはないのに動き回るだけで結果的に都市を破壊してしまうと言う点では似てます。もぞもぞと動き回るだけで東京を破壊してしまうモスラの幼虫。たしか一番大きいモスラのぬいぐるみでは中に車が入って動かしたとかどこかで聞いた覚えがあります(こうなるとリアルで王蟲並みです)。こんな大きいのが東京タワーによりかかるんですから簡単にへし折れてしまいます。仕方なく折れた東京タワーにまゆを作る幼虫。せっかくロリシカ国が貸してくれた熱戦砲も結果的にはモスラの羽化を早めただけでした。羽化したモスラの羽ばたきだけで簡単に吹っ飛ばされる車(もちろん熱戦砲もあっさり飛ばされます)。この調子でロリシカの首都ニューカークシティまで飛んでいくんですから、どうなるかは大体予想がつきます。首都をめちゃくちゃにされてこりゃかなわんと思った人々、もとい、平和を愛する人々によって小美人はついにモスラの元に戻され、モスラと小美人はインファントへ帰っていくのでした。
*モスラと言うと忘れてはいけないのがザ・ピーナッツの歌う「モスラの歌」です。必死で耳コピして修行に励んだ結果、ようやくそらで歌えるようになりました。ちなみに、歌詞は
ciaoamikoさんのブログにも出ています。
シングルス~モスラの歌~ザ・ピーナッツ
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December 07, 2004
古代の日本。厩戸皇子(聖徳太子)は幼い頃から聡明さを示し、後に推古女帝の摂政となる。皇子は自分の理想とする政治にまい進するが、それは朝廷の最大の実力者・蘇我馬子と衝突を避けつつ苦しい道を歩むことでもあった...。
この作品は厩戸皇子(聖徳太子)の幼い頃からを描いた作品です。皇子が少年の頃に当時の2大豪族、蘇我氏と物部氏の争いがあり、皇子も蘇我氏の側に立って参戦するのですが、この戦で浮き足立ちかけた味方を皇子がうまく静めたことから蘇我馬子に注目されることとなります。その後紆余曲折を経て皇子は推古女帝の摂政となるのですが、皇子の目指す政治は蘇我馬子を代表とする朝廷の豪族たちにとっては好ましいものではありませんでした。正面切って蘇我氏を敵に回せば簡単に殺されるでしょう(皇子も崇峻天皇が蘇我馬子に殺されるところを間近で見ていたはずです)。政治的な駆け引きをしつつ、自分の理想とする政治とは妥協しなければならない苦しい戦いが続きます。この作品ではそういう公の場での皇子の活躍だけでなく、少年時代の皇子の性の目覚めとか(けっこうませた子供に描かれてますな)、妻たちの扱いに手を焼く王子とか、我が子の行く末を案じる場面など人間らしい面も見せてくれます。皇子の晩年は...どうだったんでしょうね。この作品ではさらりとしか書かれていませんが、夢殿にこもりっきりの晩年と言うのはやはり不遇だったのではないかと思います。
*同じ厩戸皇子を描いた山岸涼子氏のコミック「日出処の天子」もお勧めです(こちらでは皇子を超常能力者として描いてますし、テイストは全然違いますが...)。こちらの作品は絵柄が少女漫画なので、その手の絵柄が苦手な人はご注意を。
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December 06, 2004
戦場で記憶を失った(多分)ユダヤ人の床屋(演じるのはチャールズ・チャップリン)。戦場から戻った後もナチスの迫害を受けるが、仲間たちと協力しながら生き抜いていく。ところがふとした偶然からナチスの独裁者ヒンケルと間違われ、入れ替わることになり...。
ご存知チャップリンがナチスの独裁者ヒトラーを批判して製作した映画です(製作当時はまだヒトラーへの批判が少なかったらしい)。独裁者と取り違えられた床屋がラストで語る大演説もものすごいですが、ちょっとした行き違いから自分に忠実だった将軍(モデルはロンメル将軍?)を更迭してしまい、後で「なぜ私を見捨てたのだ」といってひとり泣き出す独裁者のシーンが印象的でした。そして、なんといっても強烈な印象を残すのが、独裁者が地球に見立てた風船と戯れるシーンです。風船をもてあそぶときの独裁者の表情のなんとも楽しげなこと。しかし風船と戯れる時間は長くは続かず、風船は独裁者の目の前で割れてしまいます。このシーン、独裁者(ヒトラー)の今後を予言しているようで不気味です。
*独裁者がユダヤ人の床屋と瓜二つだった...というところで、手塚治虫氏のコミック「アドルフに告ぐ」を思い出しました。こちらの作品もお勧めです。
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December 05, 2004
真田家というと真田幸村が有名ですが、この作品はちょうど戦国末期から江戸時代初期にかけての真田家を描いた作品です。真田家の当主真田昌幸は豊臣秀吉に臣従するにあたって次男の幸村を人質として差し出します。家は長男の信之に継がせ、のちに信之の妻として本田忠勝(徳川家康の家臣)の娘を迎えることになります。秀吉の死後、関が原の合戦の時には自分と幸村は石田三成に付き、信之は徳川方に...。家を存続させるための苦肉の策ともいえますが、この作品では真田昌幸は徳川家康とどうも肌が合わなかったように描かれてますね。で、好き勝手をやりたくて家督を長男に継がせ、自分は次男と共にやりたいようにやると(笑)。作品ではどうも出来すぎの長男(信之)を少々けむったく思っていたようにも読めます。のちに大阪夏の陣・冬の陣で幸村は武名をとどろかせるのですが(この頃には昌幸は死去していました)、徳川氏の天下が定まった後も家を存続するための信之の苦闘が続きます(関が原の戦い・大阪城攻めと2度の戦いで徳川秀忠の恨みを買ってしまったため、真田家を取り潰そうとする動きがやまなかったようです)。真田家の人々を縦糸に、そして真田家に仕えた草の者(忍び)たちの暗闘を横糸にして真田家の物語がつづられていきます。草の者たちの徳川方の忍びとの激しい戦い、そして関が原の戦いでの草の者たちの活躍ぶりもすさまじいです(合戦の場に忍びも出てくるとは思わなかった)。戦国時代に興味のある方にはお勧めです。
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December 04, 2004
行方不明になった少年の死体を捜しに出た少年4人組。親には黙って出かけた冒険の旅がかけがえのない思い出となった...。
兄が死んだときに「お前が死ねばよかったんだ」と親から言われた少年。心に大きな傷を抱えたまま仲間と一緒に死体探しの旅に出ます。ヒルのいる川を泳ぎ(当然ヒルに吸い付かれるわけですが...ありゃショックだよねえ(笑))、野宿し、迫ってくる電車にはらはらしながら鉄橋を渡り...。旅を続けるうちに自分たちの抱えているものを少しずつさらけ出してゆく少年たち。でも4人ともいつかは別々の道を歩んでいくだろうと言うことをなんとなく予感していました。旅を終え、学校に戻った4人は少しずつ離れていきます。今は大人になり、行く道もまったくかけ離れてしまった(それどころかこの世の人でもなくなってしまった少年も)4人ですが、あの夏の日の冒険だけは忘れられない思い出だったのでした。少年少女だった頃のあの夏の日、親に黙ってやってのけた冒険、...かつて少年少女だった方にお勧めの映画です。
*スティーブン・キングの原作もお勧めです。「スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編」に収録されています。
スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編

*ベン・E・キングの同名主題歌「スタンド・バイ・ミー」も切ないです。
スタンド・バイ・ミー
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December 03, 2004
エリザベート〈下〉―ハプスブルク家最後の皇女

エリザベートと言うとハプスブルグ家の最後の皇妃エリザベート(愛称シシィ。美女として有名だったそうですが暗殺されてしまいます)が有名ですが、この作品で取り上げられるのはそのエリザベート皇妃の孫で皇太子ルドルフ(皇太子であるうちに男爵令嬢と自殺を遂げたらしいですね)の娘にあたる皇女エリザベートです。皇位は他の人が継ぐことになったので(エリザベートのおじに当たる人だったと思いますが、確か夫婦ともどもサラエボで暗殺されて、それが第一次世界大戦の引き金になったと記憶しています)女帝とはならなかったのですが、エリザベートもまた波乱に満ちた人生を送った人でした。皇女時代に軍人と恋に落ち、周囲の反対を押し切って皇女の身分を捨ててまで結婚。子供も生まれて幸せな日々が続きますが、やがてその生活も破綻してしまいます。そして第一次世界大戦で実家のハプスブルグ家も崩壊。その後別の男性と知り合って政治活動に身を投じていましたがナチスによって夫は投獄。奇跡的に夫を取り戻すことが出来たと思ったら今度はソ連...。まるで二つの世界大戦の影響をもろに受けたオーストリアとチェコスロヴァキアを体現したような一生です。オーストリアは民族運動の中で崩壊していくのですが、もしこれがイギリスなどのようにゆるやかに立憲君主制へと移行して行ったらオーストリアもチェコスロヴァキアもここまで歴史の波をかぶらずにすんだかもしれません。皇妃エリザベートやハプスブルグ家に興味のある方には面白く読めると思います。
*皇妃エリザベートの興味のある方はこちらもどうぞ。
皇妃エリザベートの生涯
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