March 28, 2005
子供の身代わりとしてある家に迎え入れられた人工知能を持つ少年型ロボット・デビッド。しかし彼はやがて家を追われてしまい...。
子供の身代わりとして迎え入れられたデビッド。しかし迎える側の夫妻にとって彼は身代わりでしかありませんでした。やがて彼は家を追われてしまいます(このあたり、鉄腕アトムの導入部と似てますな。天馬博士がアトムをサーカスに売っ払う理由もアレですが、この作品でデビッドが追い出される理由も相当です)。ぬいぐるみのクマ(これもロボット)を友として、途中で想像するだけでもぞっとするロボット狩りを何とか切り抜けながら(主人公が少年型のロボットでなかったら助けてはもらえなかったでしょうね...)、願いをかなえてくれると言う女神の元へと主人公は旅を続けます。(えらく姿は違う神様ですが)とりあえず主人公の願いは時空を超えてかなえられることになるわけですが...。あの結末だったら主人公にとって時が止まったままでいた方がよほど幸福だったのではないかと考え込んでしまいました。人間としての感情を与えられなかった方が主人公はよほど幸福になれたのではないか、と(人間としての感情=ハッピーなら人間はとっくにハッピーになってるはずだし)。
*同じようなテーマを扱ったアニメに「人造人間キカイダー THE ANIMATION」があります(原作は石ノ森章太郎氏のコミック「人造人間キカイダー」)。人間の心を持ったピノキオ(=キカイダー)は幸せになれるのか?と言うテーマで、とりあえず人類にとってはハッピーエンドなんですが主人公にとっては最悪のバッドエンド。観終わって欝になった覚えがあります。
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March 27, 2005
この作品は、ルネサンス期のイタリアを生きた4人の女性の生涯を描いたものです。4人とも生き方はそれぞれなんですが、印象に残るのはルクレツィア・ボルジアとカテリーナ・スフォルツァでしょうか。二人ともチェーザレ・ボルジアと深い関わりを持っていました。ルクレツィアはチェーザレの妹で、父と兄の野望のため政略結婚をし、おまけに夫を兄に殺されると言う悲惨な目にもあいます。それでも後に兄が没落したときにはローマ法王に向けて嘆願書を書いたりと、ルクレツィアにとって兄チェーザレは愛憎半ばする存在だったのかもしれません。兄の死と共に彼女もまた歴史の表舞台から姿を消し、平凡な一生を終えていきました。
強烈なのはカテリーナの方で、敵に子供たちを人質に取られた上で篭城中の家臣を説得して開城させるよう要求されます。要求に応じたふりをして家臣の待つ城に入るんですが、入城してからは敵に向かってドレスをばっとめくり上げて「子供なんかここからいくらでも作ってみせる」と言い放ったそうです。その他にもチェーザレとの戦闘中に相手の陣地に「大砲はゆっくりと撃ちなさい。そうでないとあなた方のキン○マがちぎれてしまいますよ」と書き込んだ砲弾を撃ち込み、相手を唖然とさせたとか強烈なエピソード満載です。これでイタリア中からプリマ・ドンナとして尊敬されたそうですからルネサンス期のイタリアは何かに付けて激しい時代だったのでしょうね。イタリアに興味のある方には面白く読める本だと思います。
*チェーザレ・ボルジアの方は同じ作者が「
チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」を書いています。こちらもお勧めです。
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March 26, 2005
ある日突然自分が動物と話を出来る能力を持っていることに気づいたドリトル医師。うわさを聞きつけた動物たちが次々に彼のところにやってきて...。
子供の頃に持っていた能力をある日突然思い出し、動物と話が出来るようになった主人公。飼い犬ラッキーやモルモットとの会話が笑えます(たまに走っている車の窓から頭を出して道路をじっと見ている犬を見かけますが、やっぱり「線線線線...」と思ってるのだろうか)。自殺願望のあるトラやアル中のサルとの会話も笑えますが、一番笑ったのはドブネズミコンビとの掛け合いです。ドブネズミコンビの喧嘩を見物して呆れている主人公にいきなり食ってかかるネズミたち。そのネズミたちとマジになって口げんかする主人公。周りから見るとキーキーわめくドブネズミに主人公がなにやらののしっているようにしか聞こえないのもおかしいです。ドブネズミコンビの1匹が病気になって、彼を助けるために主人公が人工呼吸をしようとするところも爆笑ものです(実はオナラが出なくて苦しんでただけだったので、主人公の真剣さとあっけない解決のミスマッチがナイスです)。ラスト近くで主人公の勤務する病院を巡るエピソードはなくても良いような気がしますが、家族そろって楽しめる動物コメディです。
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March 25, 2005
モンゴルの一氏族の族長の息子として生まれたテムジン(後のチンギス・ハーン)。彼は自分を蒼き狼の子孫たらしめるべく征服者への道をひた走る...。
モンゴルの一氏族から勢力を広げ、ユーラシア大陸を席巻したチンギス・ハーン。彼の征服欲はどこから来たのか?に焦点を当てた作品です。実は母親が他の氏族にさらわれた後で生まれたため、主人公自身が自分が本当にモンゴル族の血を引いているのかを疑い(モンゴル族の伝承では祖先が蒼き狼となっているそうです)、モンゴル族の血を証明するために(=自分が蒼き狼の子孫であると自分に納得させるために)飽くなき征服を繰り返したのだろうというのが著者の意見のようです。ただ、それだけならモンゴル全土を統一したあたりで十分満足できるような気もします。世界を席巻するまでの歴史を追うだけでなく、主人公をめぐる人間模様を読んでいるだけでも面白い作品です。
*自分に流れる蒼き狼の血を証明するために征服を続ける主人公ですが、皮肉にも彼の妻までもが他の氏族にさらわれ、救出後に長男を産むことになります。主人公は長男にジュチ(「客人」という意味だそうです。意味深ですね)と名づけ、長男にも自分と同じように自ら蒼き狼の血を証明するよう強いることになります。長男が病気で死ぬまでの間に親子の間に流れるなんとも複雑な感情...。
*多分この作品あたりからヒントを得たのではないかと思うのがゲーム「蒼き狼と白き雌鹿」です。このゲーム、征服した国の姫君や献上された美女を相手に子作りに励むというコマンドもあるのですが、そればっかりやってる奴もいたような...(笑)。
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March 21, 2005
戦国時代。国を守る守護神の伝説が語り伝えられている国で謀反が起き、城主が殺された。城主の遺児たち兄妹は復讐の機会をうかがいつつ成長するが、兄が捕らえられてしまう。妹の命を賭けた祈りが通じ、伝説の大魔神が姿を現して...。
ゴジラその他の空想科学特撮映画で人気を博していた東宝に対抗すべく、大映は全くカラーの違う特撮映画を世に送り出していました。一つはガメラシリーズ。そしてもう一つがこの大魔神です。守護神の像の額に侍たちが釘を打ったときに流れる血。そして城主の遺児の命をかけた訴えに感応して顕現する大魔神...。このシーン、神々しいというよりは怖いです。特に守護神のハニワみたいな顔が憤怒の顔に変わるところ、ただ腕を顔の前にかざすと表情が変わるだけなんですが、表情の落差が強烈です。このあと大魔神は城を破壊し、謀反人に自分の打たれた釘をお返しして(このシーンも結構怖いですな)なおも怒りを静めずに国を破壊しようとします(つまり、正義の味方でもなんでもなく、荒ぶる神として人間どもの思惑なぞ知ったこっちゃないという事なんでしょう)。城主の遺児の祈りによりようやく怒りを説いて元の神像に戻るわけですが、この大魔神もまた人間の思惑なんぞ関係ないところで破壊の限りを尽くすと言う点では東宝の生み出した怪獣たちとかなり似た所があるのではないかと思います。お子様が観ると結構トラウマになるかも。
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March 20, 2005
悪徳刑事に家族を皆殺しにされた14歳の少女、マチルダ。隣室に住んでいた彼女を助けることになった殺し屋のレオンは次第にマチルダと心を通わせていくようになり...。
淡々と自分の仕事(殺し屋)をこなし、自分が孤独であるかどうかなど考えてもいなかったレオン。その彼がゆきがかり上からマチルダを助けることになり、少しずつ変わっていきます。家族を全て失ったどころか生き残りとして命を狙われている少女。彼女をかくまうだけでなく、復讐に手を貸すようになってレオンは殺人マシーンから感情を持った人間へと変わるのですが、それは同時にレオンにとって自滅への道をたどることでもありました(闇の世界では人間らしい感情を持っていること自体が命取りなのでしょう)。印象に残っているのはラスト、マチルダがレオンとの思い出の残った鉢植えとともにただ1人残されるシーンです。レオンとマチルダの間に通った感情は年が離れていても男女のものだったのでした。
*悪徳刑事を演じたゲイリー・オールドマン、やはりうまいです。圧倒的。
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March 19, 2005
人ならぬものが跳梁・跋扈する平安時代。笛の名手・源博雅と友人の陰陽師・安倍晴明の元には様々な怪異譚が持ち込まれて...。
現代よりもずっと闇が濃く、人と人ならぬ者たちが当たり前のように同居していた時代。そんな平安時代にあって吉凶を占ったり人ならぬものたちに対することの出来る陰陽師は多分今の科学者や宗教家よりもはるかに頼もしく、またはるかに恐ろしい存在だったのでしょう。その陰陽師の中でもとりわけ有名なのが安倍晴明でした(伝承では狐を母親とし、陰陽師として修行もしないのに幼い頃から鬼の姿が見えたそうです)。その安倍晴明のもとに持ち込まれる怪異。源博雅は安倍晴明と友人であるために怪異に巻き込まれたり、時には自分から不思議な話を持ち込んだりもしています。この「陰陽師」、シリーズになっていていろいろなエピソードが出てくるのですが、印象に残っているのは小野小町のエピソードと源博雅が恋した女性のエピソードです。どれほど願っても人の心は変えられない、それが分かっていてもどうすることも出来ずに人は鬼になるのか...
*怪異譚そのものもそうですが、各エピソードの冒頭で描かれる安倍晴明と源博雅ののんびりとした会話も面白いです。
*時々蘆屋道満というキャラが出てくるんですが、この人が安倍晴明の同業と言うかライバルと言うか、時には術を競い、時には(結果的に)安倍晴明と共謀するような形で描かれていてかなり面白いですね。決して完全な敵として描かれているわけではなく、むしろ晴明が相手を暖かく見ている感じがして楽しいです。
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March 18, 2005
この本は、かつて地球の周りを回っていたロシアの宇宙ステーション「ミール」に438日間連続して滞在した記録を持つ(通算では679日間)筆者が宇宙に滞在中の自身の経験や、宇宙で人間が生きるためにミールにはどのような機能があったのかなどについて書いた本です。宇宙から地球を眺めていたときに銀色の妙な雲が見えて、あとで地上と交信して調べてもらったら地上で大地震が起きていたとか(よく話題になる地震雲とは色が違うようですが、他の宇宙飛行士もこの銀色の雲を目撃したそうです。ただ、雲を目撃してもどこで大地震が起きたのかまでは残念ながら分からないようです)、ミールでトイレはどうしていたのかなど面白い話が多いです(下痢のときはどうなんだろうと余計な心配をしてしまいました)。意外だったのは宇宙ではげっぷが出ないと言うくだりで(重力がないので飲み込んだ空気と飲み物・食べ物が混ざり合ってしまい、空気として出てこないらしい)、お腹が張って非常に苦しい思いをしたそうです。においの問題もあるので空気清浄機の近くへ行ってオナラとしてガスをようやく出したというあたりは読んでいて笑ってしまいました。
宇宙に長期間滞在した記録を持つ筆者らしく、自身の経験から、十分な対策をすれば人間は火星への長い旅にも耐えられると結論付けています。筆者がこの本を書いた頃は確かロシアの状況が非常に悪くて宇宙開発の分野でも厳しい状態が続いていたと思いますが、
ロシアが火星への有人宇宙飛行に向けて模擬試験の準備を進めているという記事などを読むと、ロシアの宇宙開発の関係者は苦しい時期を抜けて国際宇宙ステーション(
ISS)の次のミッションの準備を着々と進めているんだなとうらやましくなります。
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March 14, 2005
 | 地底探検 パット・ブーン ヘンリー・レビン ジェームズ・メイスン アーレン・ダール
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19世紀末。地質学者のリンデンブルク教授は偶然にも地底世界への道しるべを発見する。教授は学生のアレックス、未亡人のカーラと共に探検の旅に出るが...。
休火山から地底へと降りて見ると、そこには想像もしなかったような世界が広がっていました。熱のない光で輝く洞窟、巨大キノコ、(どういうわけか)地底に広がる海(いったいどこから水が来てるんでしょうか?)。そしてかつて繁栄を誇りながら滅びてしまった都市。観ていて一番楽しいのは、背びれの生えたトカゲたちです(特典映像で予告編を観ていたら「ジャイアントカメレオン」ってしっかり書かれてましたが...どうみてもカメレオンじゃないよ、ありゃ)。最初は1匹だけかと思ったら後から後からわさわさわさわさと出てきて、カーラに迫るのです。で、カーラも逃げようとして転んで、叫び声をあげて気絶してしまう(このあたり、お約束ですね~)。トカゲは幸いにも手製の槍で突いたくらいで簡単に倒せるのですが、他のトカゲたちが死んだ仲間のところに寄ってきて一斉に死体を食べ始めるところは(今から見ればグロ描写じゃないんですが)やはり怖いものがあります。地下に広がるワンダーランド、失われた文明、怪獣たち。古き良き時代のSFを楽しめる作品です。
*この映画、アヒルがいい味出してます(なぜ地底探検にアヒルを連れて行くのかはおいといて)。
*この作品の原作(だったと思う)がジュール・ベルヌの「地底探検」です。映画を観て気に入った方はこちらもどうぞ。
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March 13, 2005
武田軍と織田・徳川連合軍が激突する戦国時代。武田信玄は死んだのか、それとも生きているのか?影武者を立て、信玄が死んだ事実をひた隠しにしようとする武田側。信玄の生死を探り、生きていれば抹殺する使命を帯びて武田家に潜入する徳川方の忍者たち。奇想天外な双方の暗闘が始まろうとしていた...。
「
魔界転生」ほどぶっ飛んだ設定ではないですが、この作品でも山田風太郎氏による奇想天外・淫靡な忍術が炸裂です。徳川方の忍者(服部半蔵の配下と言うことになっています)にしてからが最初は良く出来た人形が人間のSEXの真似事をしているだけだったはずが見入っているうちに人形が巨大化して相手を押しつぶす忍術とか、鐘の音(煩悩たまりまくりの相手にしか効かないようですが)で敵をおびき寄せて殺す術とか考えもつかない術のオンパレードですが、それに対する武田側も山本勘助に率いられて徳川家康と息子の信康との間に不和の種をまくとか負けてはいません。ラスト近くの忍術(これが一番陰惨かも。血をすすってるし...)によって武田家の将来が暗示されるわけですが...。山田風太郎氏のファンなら楽しめると思います(あ、お子様にはお勧めしません、念のため)。
*ところでこの作品、取り扱ってる時期が武田信玄の死の直後ですから「影武者」と同じ時期なんですね。影武者の方は歌舞伎風の型にちょっとこだわりすぎなんじゃないかと言う気がしてますが。
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March 12, 2005
この本は、1987年にノーベル生理学医学賞を受賞した利根川博士に対して立花隆氏がインタビューした内容を元にしてまとめたものです。研究の概要だけでなく、博士の生い立ちから研究者はどうあるべきかについての博士の意見まで幅広くまとめられています。研究の内容は正直よく分からなかったのですが、研究のためのサンプルを作るくだりや(妊娠しているネズミから胎児を取り出して、さらにその胎児から必要な物質を取り出して...となるんですが、サンプルを作るだけで相当な時間がかかってしまうようです。今だったら某環境保護団体が目を吊り上げて騒ぐかも)、「サイエンスは肉体労働である」の章が読んで強く印象に残りました。研究って白衣を着て机に向かっていれば良いような印象もありますが、サンプル作りから解析から論文から...と、本当に体力がなければやっていけないですね。この本を最初に読んだときはまだ学生だったのですが、後になって卒業論文のために実験をやるようになってそれがよく分かりました(ノーベル賞のレベルとはもちろん比べ物にならないですが)。今となってはちょっと古いですが、研究者を目指している方や分子生物学に興味のある方にはお勧めの本です。
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March 11, 2005
妻に死なれ、人生に疲れ切った中年男。婚約者との結婚を間近に控えた若い女。二人はアパートの空き室を探すうちに偶然出会い、衝動的に体を重ねる。男はアパートに部屋を借り、女とセックスだけの生活を始めるが...。
お互いに相手の内部に立ち入るどころか名前すらも聞かず、アパートに来ればひたすらに相手の体を求める。アパートを出れば二人ともそれぞれお互いに全く接点のない自分の生活に戻る。セックス描写は今見ればそれほど過激にも見えませんが、公開された当時はおそらくセンセーショナルだったのでしょう。しかし、その場限りで終われば二度と会わないというならともかく、何度も出会いを続けて相手の内部に立ち入らないで済むのだろうか?女は婚約者との結婚が近付くにつれて日常の生活に関心が向いていき、男から遠ざかろうとし始めます。男の方は死んだ妻への感情をぶちまけたことが契機となり、逆に女との生活を考えるようになっていきます。そして迎える破局。心を通わせる方がセックスよりもよほど難しい...。
*バターのシーンは想像するだけで痛そうです...。
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March 07, 2005
春秋時代の中国。晋国の公子として生まれた重耳は、王位継承にまつわる争いで兄が殺されたことから国外に亡命し、長い年月を付き従う家臣と共にさまよい続けるが...。
晋の公子として生まれ、跡継ぎの兄がいたのですからそのまま行けば主人公は平凡な一生を送るはずでした。しかし、父王が寵姫に産ませた子に心を奪われるようになって運命が変わっていきます。兄は殺され、自分も身の危険を感じて国外へ亡命...。はしっこい弟が先に母国に戻って即位したりして亡命期間は数十年にわたり、このまま一生を終えるのかと思うときに思いがけなく帰国して即位できるようになったのです。即位してからは晋を強国とし、「晋の文公」とたたえられるようになったと言うのですから運命はどう変わっていくか分かりませんね~。読んでいて印象に残ったのは、亡命中に他の国に暖かく迎えられ、その国で妻も迎えて、主人公がもうその国で一生を終えようかと思うくだりです。長い間苦しみ続けたあとにようやく落ち着き先を見つけたとき、そこからさらに進んで自分の本来の目標に進むことが出来るのかどうか。苦しみが長ければ長いほどまた苦労して本来の目標に向かっていこうとするのはとても難しいのだと思います。主人公の場合には家臣たちに叱咤されたおかげで最後には母国に戻って即位したわけですが、つい自分だったらあそこまで踏ん張れただろうかと考え込んでしまいます。
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March 06, 2005
第2次大戦下のモロッコの首都カサブランカ。ここには戦火を逃れアメリカへ渡ろうとする人々がビザの下りるのを待ちかねていた。この街でクラブを経営するリック(演じるのはハンフリー・ボガード)はかつての恋人・イルザ(演じるのはイングリッド・バーグマン)と再会するが...。
苦い思いを噛み締めてカサブランカまで流れてきたはずなのに、かつての恋人に出会えば忘れたはずの思いが蘇ってしまう。かつての恋人はレジスタンスの闘士である夫を亡命させるためにカサブランカに来たというのに...。夫を亡命させる手助けをして欲しいと頼みに来るかつての恋人、妻だけでも亡命させて欲しいと頼む夫。ボギーでなくても酒にのめり込みたくなりますね...。もう恋人の心が戻らないことが分かっていてなお「もう一度やり直そう」とかつての恋人に迫る主人公が切ないです(やむをえない事情があったとはいえ、失った時はどれほど望んでも二度と取り戻せないんだよな...観ていて胸が痛くなってきます)。ラストでかつての恋人夫婦を無事に亡命させることに成功し、じっと見送る主人公。あのシーンはぐっと来るものがありました。そうそう、カサブランカの警察署長がいい味出してます。もうけ役ですね~。
*ボギー、あんた漢だぜ。
*この作品の有名なせりふ「君の瞳に乾杯!」はいますっと使える人はなかなかいなさそうですね(笑)。
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March 05, 2005
演習中の自衛隊が丸ごと戦国時代にタイムスリップ!ところがその時代の歴史は彼らが知っている歴史とは微妙に違っていた...。
最新装備を持ったまま自衛隊の一個小隊が戦国時代にタイムスリップしたとしたら、そしてその時代の歴史が自分たちの知識とは微妙に異なっているとしたら...。装備を使って戦国時代の日本で思う様活躍してみたいとやはり思うでしょう。この作品の主人公たちはいきなり征服戦争を始めるわけでもなく、むしろ自分たちがこの世界の歴史に介入して良いのか、守るべき国家がなくなったときに自衛隊はどうするのかを自問しながらも戦いに巻き込まれていきます。最新装備があれば無敵と思いきや、意外にも武田軍に苦戦させられる自衛隊(この辺はきっとベトナム戦争のときのアメリカ軍とベトコンをイメージしているのでしょう)。苦戦の末勝利を収め、天下統一へあと一歩と言うところまで進みますが、思いもよらぬどんでん返しが主人公たちを待ち受けていました。島田和秀、竹吉、庭長秀や三河文康のような登場人物の名前や、主人公がふと口ずさむ「敦盛」でさりげなく伏線が張られていたのですが、やはり自衛隊の面々は歴史的にある役割を持って過去にタイムスリップしたのか...というところが分かるうまいラストです。
*この作品の映画版には確か薬師丸ひろ子もチョイ役で出ていたと思います。武田信玄との戦いをメインにおいたからああいうストーリーになったんでしょうが、「歴史は俺たちに何をさせようとしているのか」というキャッチコピーがあまり生きてなかったような。夜這いシーンは笑いました。
*この作品、コミック化もされています。ほぼ原作に忠実で、こちらもなかなか面白いです。
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March 04, 2005
機械化人が支配する未来の地球。機械伯爵の人間狩りにあって母を殺された少年・星野鉄郎は謎めいた美女・メーテルに助けられ、母との約束を果たすため銀河鉄道999に乗り込んで機械の体を手に入れられる星へと向かう...。
かつて一世を風靡した松本零士氏原作のコミックの映画化です。母を殺された主人公が旅を続けるうちに成長し、大人になってゆく物語というと簡単に終わってしまうんですが、旅の最初は永遠の命をどうしても手に入れると考えていたのが、永遠の命よりも限りある命を精一杯生きる方を選び取るというように少しずつ変わっていくところも印象深いですね。せっかく永遠の命を手に入れても人間狩りだのとろくでもないことに時間を費やしている機械化人たちを見て考えが変わったのでしょう(無限の時間を手に入れても、それを有効に使える人は実はごく少ないのかもしれません)。ところでこの映画、主人公の成長(母との約束通りに永遠の命を追い求めるのが最後には自分の考えで限りある命を選択するように変わっていく)の方がクローズアップされてますが、考えてみるとメーテルの方もまた主人公との出会いによって母親の支配から抜け出してるんですね。メーテルの方は以前から母親に従うふりをしていただけのようですが、主人公を助けるためにはっきりと支配的な母親に反旗を翻したことになりますね(それでも母親の支配から完全に抜け切るにはこの次の作品「
さよなら銀河鉄道999 -アンドロメダ終着駅- (劇場版)」まで待たなければならないわけですが)。今は大人になりたくない、成長したくないって言う人がずいぶん多いようですが、その人たちがこの映画を観たらどう思うかちょっと聞いてみたい気がします。
*この作品、TVアニメにもなってかなり長い間放映されていました(TV版では原作と同じで主人公がジャガイモ顔)。皮肉のきいたエピソードあり、悲しいエピソードありで毎週毎週観てましたがラスト近くになって作画がいきなり崩れたのは残念でした...。それと、TV版でも映画版でも原作にあったユーモラスなところがなくなっちゃってたのも残念です(原作ではメーテルなんてけっこうボケをかましてましたし)。
*この映画、ゴダイゴの歌う主題歌もヒットしましたね~。聴いていたら「ガンダーラ」や「MONKEY MAGIC」も思い出してしまいました。
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March 01, 2005
この本は、会社勤めを辞めて別の道を歩んだ人たちの「その後」を取材した本です。サラリーマンから農家に転進した人、仏門に入った人、起業した人、趣味の世界で商売を始める人、元いた会社にリベンジを目指して別の会社で仕事を始めた人...。辞めたときの給料と退職金、今の年収が必ず書かれているのでつい見比べてしまいました。自営業になるということは自由を得る喜びと、その裏返しのホームレスになるかもしれないという恐怖の両方を手に入れることなんだと言うくだりも強く印象に残ります(ただ、サラリーマンのほうが「首になれば手に職もないし一気にホームレス」と恐怖をより強く感じるかもしれませんが)。さらに強烈なのは、会社を辞めると言った途端に家族から猛反対を受け、家庭内でさえ辛い立場に立ったり離婚にまで進んでしまうこともあるという話です。妻子(養われる側)から見れば自分の生活水準を落とすなんてとんでもないし「あなたがこの会社に勤めているから結婚したんだ」が本音なんでしょうが...。厳しい状況におかれると(たとえ家族でも)その人の本音や本性があらわになるものなんですね。サラリーマン稼業でも給料をどんどん減らされ、リストラも珍しくないと言う状況で脱サラに憧れる人も多いと思いますが、隣の芝生は光の加減で青く見えるだけだというのがよく分かる本です(それでも、ホームレスの恐怖が付きまとっても、「自由」には強く憧れますが)。
*この本とテーマで重なる部分があると思うのが「
働くということ」です。「働くということ」の方がどちらかというと遠まきに眺めている感じがします。
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