May 01, 2005
南国ジャマイカで史上初のボブスレーチームを結成! チームの面々は元金メダリストをコーチに迎え、オリンピックを目指して特訓に励むが...
一度はオリンピックを目指しながら夢を絶たれた陸上選手、落ちぶれ果てた元金メダリスト、...。そんな彼らでしたが、オリンピックへの夢を捨てきれずにボブスレーで再び夢に挑みます。って書くとスポーツ根性ものに思われるかもしれませんが、ボブスレーの訓練の様子は抱腹絶倒ものです(もともとボブスレーなんて誰も知らなかったでしょうからさらに面白い)。特に笑ったのが、冬の寒さに耐えるためにコーチが編み出した訓練法です。たしかに寒さには強くなるでしょうが...あれじゃ強くなる前に死ぬよ(笑)。ただお笑いだけではなく、オリンピックに挑み、そして...結末はネタバレになるので書きませんが、ホロリときて「あんたらよくやった!」って言いたくなります。ボブスレーに興味が無くても全然知らなくても(訓練のシーンを見るだけで)楽しめる作品です。
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April 30, 2005
天文学の研究者である主人公は研究所のシステム管理者を担当することになる。軽い気持ちで調べてみたところ、ごくわずかな額だが使用料金が計算と合わない。主人公は調査を開始するが...。
計算と合わない額は日本円にすればせいぜい100円程度。そこまでするかという声もありますが、ともかく主人公は調査を進めることにします。そこで浮かび上がってきたのは正体不明のユーザーでした(そういえば、昔は端末を使った時間に応じて料金を取られてましたね。今は定額制で使い放題が多数派ですが)。しかもこのユーザー、研究所のシステムを踏み台にして政府のシステムに侵入していたらしいのです。FBIに訴えても動こうとしない(当時ではハッカーの存在そのものが想像を絶していたのでしょう)。ハッカーと主人公たちとのコンピュータをはさんだ静かな戦いが続きます。システムに侵入とか、侵入したシステムを踏み台にしてさらに他のシステムに侵入して情報を盗むとか、この本が書かれた当時よりも今の方がより身近になってますね~。派手なアクションも銃撃戦も無し、ひたすらキーボードを叩く静かな戦いが続きますが、コンピュータのセキュリティに興味のある方には楽しめると思います。
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April 23, 2005
 | 仮面の男 レオナルド・ディカプリオ ランダル・ウォレス ジェレミー・アイアンズ ジョン・マルコビッチ
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17世紀フランス。国民は暴君ルイ14世に苦しめられていた。今は引退してそれぞれの道を歩んでいる三銃士たちは、バスティーユ牢獄に幽閉されている「仮面の男」とルイ14世をすりかえるべくひそかに動き始めるが...。
有名な「鉄仮面の男」のエピソード(ルイ14世に捕らえられ、鉄の仮面をかぶせられたまま投獄されていたそうです。しかも獄中でも扱いは非常に良かったらしい)とこれまた有名な「三銃士」を登場させた作品です。ただしこの作品ではダルタニアンは三銃士と袂を分かち、ルイ14世を守るべく奔走する側に回ります。レオナルド・ディカブリオの二役も公開当時話題になりましたが(ファンの方は怒るかもしれませんが、意外に暴君ともう1人との演じ分けがうまくて驚きました)、むしろダルタニアンと三銃士の演技が印象に残ります。暴君と分かっていながらも(実はもう一つ理由があったのですが)ルイ14世を守るべく動くダルタニアン。(私情も一部入っているようですが)フランスの将来を考え、ルイ14世と仮面の男のすり替えに動く三銃士。それぞれの立場の苦悩も時にはユーモラスに描かれます。クライマックスで銃の一斉射撃もものともせず突撃を敢行するシーンはカッコイイです。ヨーロッパの歴史ものに興味のある方は楽しめると思います。
*アレクサンドル・デュマ原作「三銃士」もお勧めです。
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April 02, 2005
1920年代のイタリア。自分に魔法をかけて豚となった男ボルコ・ロッソはアドリア海で空賊相手に賞金稼ぎを続けていた。煮え湯を飲まされ続けた空賊は助っ人としてアメリカからカーチスを呼び寄せる...。
今は酒場の歌手となった、かつての親友の恋人。過去の写真から消された顔。映画の中の1シーンから考えると、恐らくは戦争が与えた心の傷のために主人公は戦闘機乗りをやめたのでしょう。しかし、空への思いは断ち切れなかったため自分に魔法をかけて顔を隠し、賞金稼ぎとして生きることにしたのではないか...など、語られなかった部分でいろいろと想像が膨らむ作品です。加藤登紀子氏の歌もイイです。ストーリーだけでなく、空戦シーンやボルコとカーチスの一騎打ちのシーンも迫力モノです。過去を背負いながら、どこか間抜けなところや子供っぽさも残す男たち。お子様が観ても多分面白くないと思いますが、ある程度年のいった方々にお勧めの作品です。
*主人公の本当の顔って、回想シーンでチラッと出てきますね。
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March 06, 2005
第2次大戦下のモロッコの首都カサブランカ。ここには戦火を逃れアメリカへ渡ろうとする人々がビザの下りるのを待ちかねていた。この街でクラブを経営するリック(演じるのはハンフリー・ボガード)はかつての恋人・イルザ(演じるのはイングリッド・バーグマン)と再会するが...。
苦い思いを噛み締めてカサブランカまで流れてきたはずなのに、かつての恋人に出会えば忘れたはずの思いが蘇ってしまう。かつての恋人はレジスタンスの闘士である夫を亡命させるためにカサブランカに来たというのに...。夫を亡命させる手助けをして欲しいと頼みに来るかつての恋人、妻だけでも亡命させて欲しいと頼む夫。ボギーでなくても酒にのめり込みたくなりますね...。もう恋人の心が戻らないことが分かっていてなお「もう一度やり直そう」とかつての恋人に迫る主人公が切ないです(やむをえない事情があったとはいえ、失った時はどれほど望んでも二度と取り戻せないんだよな...観ていて胸が痛くなってきます)。ラストでかつての恋人夫婦を無事に亡命させることに成功し、じっと見送る主人公。あのシーンはぐっと来るものがありました。そうそう、カサブランカの警察署長がいい味出してます。もうけ役ですね~。
*ボギー、あんた漢だぜ。
*この作品の有名なせりふ「君の瞳に乾杯!」はいますっと使える人はなかなかいなさそうですね(笑)。
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March 04, 2005
機械化人が支配する未来の地球。機械伯爵の人間狩りにあって母を殺された少年・星野鉄郎は謎めいた美女・メーテルに助けられ、母との約束を果たすため銀河鉄道999に乗り込んで機械の体を手に入れられる星へと向かう...。
かつて一世を風靡した松本零士氏原作のコミックの映画化です。母を殺された主人公が旅を続けるうちに成長し、大人になってゆく物語というと簡単に終わってしまうんですが、旅の最初は永遠の命をどうしても手に入れると考えていたのが、永遠の命よりも限りある命を精一杯生きる方を選び取るというように少しずつ変わっていくところも印象深いですね。せっかく永遠の命を手に入れても人間狩りだのとろくでもないことに時間を費やしている機械化人たちを見て考えが変わったのでしょう(無限の時間を手に入れても、それを有効に使える人は実はごく少ないのかもしれません)。ところでこの映画、主人公の成長(母との約束通りに永遠の命を追い求めるのが最後には自分の考えで限りある命を選択するように変わっていく)の方がクローズアップされてますが、考えてみるとメーテルの方もまた主人公との出会いによって母親の支配から抜け出してるんですね。メーテルの方は以前から母親に従うふりをしていただけのようですが、主人公を助けるためにはっきりと支配的な母親に反旗を翻したことになりますね(それでも母親の支配から完全に抜け切るにはこの次の作品「
さよなら銀河鉄道999 -アンドロメダ終着駅- (劇場版)」まで待たなければならないわけですが)。今は大人になりたくない、成長したくないって言う人がずいぶん多いようですが、その人たちがこの映画を観たらどう思うかちょっと聞いてみたい気がします。
*この作品、TVアニメにもなってかなり長い間放映されていました(TV版では原作と同じで主人公がジャガイモ顔)。皮肉のきいたエピソードあり、悲しいエピソードありで毎週毎週観てましたがラスト近くになって作画がいきなり崩れたのは残念でした...。それと、TV版でも映画版でも原作にあったユーモラスなところがなくなっちゃってたのも残念です(原作ではメーテルなんてけっこうボケをかましてましたし)。
*この映画、ゴダイゴの歌う主題歌もヒットしましたね~。聴いていたら「ガンダーラ」や「MONKEY MAGIC」も思い出してしまいました。
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February 28, 2005
母熊を失った一頭の子熊は、森の中で猟師に撃たれ傷ついた大きな雄熊と出会い、共に暮らすようになる。しかし2頭を猟師が追い始めて...。
自然は美しくもありますが、母親を失った子熊には苛酷な環境でもあります(もし子熊が雄熊と出会って心を通わせることが出来なかったら、子熊は長くは生きていられなかったでしょう)。この作品では自然の美しさと過酷さももちろんなんですが、その中で生きる熊たちの愛らしさやユーモラスなしぐさが観ていてとても楽しいのです。例えば雄熊が森で雌熊と出会って大人の時間を過ごすわけですが、子熊は当然お子様お断りの時間と言うことで相手にされず、その辺で時間をつぶさなければならなくなるんです。で、そのときについキノコ(これが真っ赤っかでいかにもヤバそうなキノコなんですね~)を食べてしまい、トリップして見る夢が花はゆらゆら、チョウチョはひ~らひらって感じで実に面白いのです。この他にも猟師に捕まった子熊がコンデンスミルクに味をしめてしまい、猟師の留守中に宿営地を引っかき回してコンデンスミルクを全部なめてしまうシーンもあるんですが、まわりにつながれている馬や犬の迷惑そうな顔...。観ていて吹き出してしまいました。ドキュメンタリーではないのですが、壮大な自然とその中で生きる熊たちの姿を楽しめる作品です。
*この映画、もともとはフランス映画で原題は「熊たち」って言う意味だとどこかで聞いた覚えがあります。「子熊物語」というタイトルはちょっと失敗だったような気がします。
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February 26, 2005
紀元前100万年。地球には恐竜がのし歩き、人類はまだ言葉を持たないまま恐竜の目から逃れるように生きていた。谷の部族の族長の息子、トマクは谷を追われ、さまよううちに海辺の部族の娘、ロワナ(演じるのはラクウェル・ウェルチ)に助けられる...。
ご存知レイ・ハリーハウゼン御大による特撮が光る映画です。この映画もまた御大によって命を吹き込まれた恐竜たちが大活躍します。例えば海辺の部族の村に襲いかかる肉食恐竜が主人公たちと戦うシーンがあるんですが、主人公たちの槍の動きと、肉食恐竜が槍に噛み付こうとする動きがぴったり合っているのです。同じハリーハウゼン御大による特撮「
アルゴ探検隊の大冒険」、「
タイタンの戦い」や「
シンドバッド黄金の航海」に出てくる想像上のクリーチャーたちの動きも観ていて実に楽しいですが、この作品に出てくる恐竜たちもどことなくかつて地上に実在した生物らしいリアルさと独特の動きが感じられるところが楽しいです。ヒロインをさらった翼竜が他の翼竜と獲物(ヒロイン)を奪い合うシーンでは、以前に動物番組で見たことのあるカツオドリだかグンカンドリだかが獲物を奪い合うシーンを思い出しました。お子さんは恐竜が出てきて大喜び、オトーサンはヒロインその他の女優陣のビキニ姿(ビキニ姿でプロレスまでやります。でもエロまではいかないですね。健康的なお色気と言うところでしょうか)に大喜びと一家そろって楽しめる作品です。
*イグアナと亀も御大による特撮で観てみたかったな~。
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February 25, 2005
*「霧」は、「スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員」に収録されています。
ある日突然町を覆った「霧」。その霧の中には異形の怪物たちがひそんでいた。主人公の親子は買い物中にショッピングセンターに閉じ込められ、必死の脱出を試みるが...。
平和な日常を突然襲った悪夢。霧に包まれ、視界がきかない不安と恐怖をさらに煽るように異形の怪物たちが見え隠れします。ショッピングセンターに閉じ込められた人々も時がたつにつれて本性があらわになってゆき(人間の本性も異形の怪物たちに負けず劣らず醜悪ですね...)、次第に異形の怪物たちの餌食になるものも増えてきます。怪物たちとの攻防戦もそうなんですが、恐怖のあまりおかしくなってしまった女性が制止を振り切って外に出てしまい、(やっぱりというか)霧の向こうにさらわれていってしまうところが妙にリアルで読んでいてぞっとしてきます。脱出を敢行した主人公たちが出会う怪物(これがまた、霧が晴れていても絶対にお会いしたくないような代物だったりします)もキョーレツです。そしてラスト、絶望に駆られた主人公たちにかすかに残された「希望」。キング版の「
鳥」と言えるのではないかと思う作品です。
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February 20, 2005
戦国時代。織田信長の居城・安土城に招かれた宣教師ルイス・フロイスは信長に問われるままに古代のアレクサンドロス大王の生涯を語り始める。語り進めていくうちにフロイスはアレクサンドロス大王と信長との奇妙な相似に気付き始め...。
物語はフロイスが信長に呼び出されるたびにアレクサンドロスの生涯を語るという形で進んでいきます。必ずしもしっくり行かなかった親子関係(信長の場合には親から嫌われていたようですが)。国を継いだ後、瞬く間に世界を席巻した征服王としての手腕。新しい武器を積極的に取り入れる先進性。自分を神とみなし、周囲にも自分を神とあがめるよう命じる精神。そして、...築き上げた帝国が自身の死によってあっけなく崩壊してしまうところまでアレクサンドロスと信長は似ていました。そしてフロイスだけが気づいたもう一つの点でも両者はそっくりだったのです。物語も信長が本能寺の変で斃れ、全てが空しくなったところで幕を閉じますが、二人のどちらもが歴史がつかの間夢見た幻想の存在であったのかもしれません。
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February 14, 2005
この本は、現在日本に起こりつつある社会の変化を分析した本です。
学校を出て就職・結婚して働き続ければとりあえず給料は上がって退職後もそこそこの生活を楽しめた時代から、学校を出ても就職先も昇給も保証されず(そもそも学校にさえ行けなくなる人も増える)、結婚してもいつ離婚するか(離婚されるか)分からないリスクの時代へ。高収入で子供の教育に多額の資金を投じることの出来る「勝ち組」と、子供どころか自分たちの生活がやっとの「負け組」(それでも子供を欲しがるため、生活はさらに貧乏に...)に分かれていく日本。負け組が自暴自棄になって起こす「不幸の道連れ犯罪」が増えていくだろうというくだりでは、最近起こった幼女や赤ん坊が無造作に殺された事件が真っ先に頭に浮かびました。もちろん勝ち組だっているわけですし今の政策はできるだけ勝ち組を優遇して日本全体の経済を引っ張らせようと言うことなのでしょうが、大多数の負け組がその恩恵にあずかることは多分ほとんどない。そしていつのまにか出来上がっている「負け組になったのは本人の責任」というイメージ。
読んでいて暗澹としてきますが、「ではどうすればいいのか?」の部分はこの本には出てきません。この本の役目は分析だけ、あとは自己責任で考えろと言うことなのかもしれませんが...。
*これまでの教育は過大すぎる自分の将来への期待を時間をかけて少しずつあきらめさせるという機能も持っていた...というくだりは目からウロコでした。そして、学校に行くことに意味がなくなりつつあればこの機能も失われ、自分の将来に大きすぎる夢を抱えたまま生きる若者たちが増えると言うくだりも。
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February 11, 2005
人間の脳とネットワークがたやすく接続できるようになった結果、ハッキングなどのネットワーク犯罪が激増した近未来。公安9課に所属する「少佐」、草薙素子は国際的テロリストの「人形使い」を追うが...。
大脳とネットワークを接続した結果、大量の情報を簡単に入手できるようになった近未来。肉体の方もサイボーグ化すれば素晴らしい肉体を手に入れることが出来ます。しかし、一度ハッキングを受けて脳への侵入を許してしまえば記憶まで書き換えられ、他人にたやすく操られることにもなります。主人公は体の方もサイボーグ化して残った生身の部分といえば脳の一部だけ。自分は人間なのか、ネットワーク上の人工知能とどこが違うのかと疑問を抱きながら人形遣いを追っていきます。この映画が公開された当時より今の方がコンピュータネットワークも広がってますしよほど映画の世界に近付いてきてますが(人体にチップを埋め込んで犯罪予防に...なんて話もあるようですが)、いつかはこの映画のように人間と人工知能との境界があいまいになってぼやけていくのかもしれません。肉体と言う入れ物を取り去ってしまえばこの自分はネットワークに浮かぶ0と1の集合に過ぎないのではないか、と。
*この作品の後日談といえると思うのが「イノセンス」です。映像は綺麗ですが(主人公たちが北の街へ赴くシーンでは、「
ブレードランナー」の1シーンを思い出しました)、監督の趣味に走りすぎてインパクトとしては「攻殻機動隊」ほどではないかな。
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January 24, 2005
公害で汚染された日本。駿河湾から現れた公害怪獣・ヘドラは体内の有毒物質を撒き散らしつつ日本を蹂躙する。ヘドラを倒すべく現れたゴジラだったが、猛毒の硫酸ミストに苦戦を強いられる...。
映画のしょっぱなからぶちかまされる強烈な挿入歌「かえせ!太陽を」。富士山の裾野で踊り狂ってる学生たちを襲って骨だけにしてしまうヘドラ(確か別のシーンでは赤ん坊も犠牲になっていたような...)。全体的にとー-ってもダークな雰囲気で、ゴジラの片目と片腕がつぶされるシーンでは公開当時に子供たちが泣き叫んだんじゃないかと思ってしまいます。観終わった後で思ったんですが、この作品、公害をモチーフにした新しいゴジラを撮りたかったんじゃないかと思うのです。シリーズ第1作「
ゴジラ」では、戦争への怨念と核兵器への恐怖がゴジラを生み出した原動力だったのだと思います。「ゴジラ」から時は流れて、今は公害が日本人をおびやかす最大の恐怖になっていました。公害への恐怖からヘドラを生み出したからこそヘドラはあれだけの圧倒的な強さを誇るし、いまでは子供の味方になってしまったゴジラはヘドラのために片目をつぶされ、片腕を溶かされる羽目に陥ります。それでもゴジラ(=核兵器の申し子)が人間の用意した兵器を利用してヘドラ(=公害の象徴)を撃退するシーンは何とも皮肉です。人間が生み出した恐怖は、同じ人間が生み出した別の恐怖によってしか撃退できないと言うことなのでしょうか。ちょっと(いや、時にはかなり)説教臭いところもあり、全編にダークでダルな雰囲気が漂う作品ですが、もう一つのゴジラを観てみたいという方にはお勧めの作品です。
*ゴジラも飛びます!って、ありゃないでしょ。
*「かえせ!太陽を」ですが、調べてみたら結構いろいろなCDに収録されてますね~。そのなかでは「ミュージックファイルシリーズ 東宝映画サントラコレクション・リミテッドエディション「東宝特撮チャンピオンまつり」がお勧めです(「ノストラダムスの大予言」のサントラまで入っているとは思わなかった)。
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January 17, 2005
戦国時代。武将・鷲津武時はもののけの予言と妻のそそのかしにあい、主君を殺して蜘蛛巣城の城主となる。しかし猜疑心のとりことなり、遂には親友に攻め入られることとなる...。
シェイクスピアの「マクベス」を日本の戦国時代に舞台を移して描き出した作品です。自分の胸に潜む野心をもののけに見透かされ、妻にも焚きつけられて野心を果たした主人公。自分が一代限りの城主で跡継ぎを親友の息子に定めようと思っていたところが、妻に妊娠を告げられて激しく動揺します。主人公の妻の方はただ主人公を焚きつけたのではなく、やがて生まれる自分の子を蜘蛛巣城の城主にしたかったんですね。しかし妻は流産し、猜疑心と主君を殺したことから来る良心の呵責に耐えかねて狂乱する主人公から部下たちの心はどんどん離れていってしまうのです。かつての親友が自分に対して兵を挙げた時にわざわざ森に出向き、もののけの予言にすがる主人公(この時点で既に主人公の武運は尽きていたのでしょう)。いったんは予言を聞いて安心しますが、もののけの予言が現実となったとき主人公から部下たちの心は完全に離れていきました。ラストシーンは本当に主人公に無数の矢を射掛けたそうですが(あの主人公の表情は演技だけではなかったわけです)、凄絶です。音声がちょっと聞き取りづらいのが残念ですが、シェークスピアの原作を知らなくても堪能できる作品です。
*この作品、主人公の妻もある意味もののけみたいなものだと思うんですが(もののけの予言だけでは主人公も動かなかったと思うのです)、ラスト近くで良心の呵責に耐えかねた姿を見せるよりは流産でそのまま死んでしまった方が、もののけに運命を翻弄される主人公の姿が強調されたような気がします。
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January 14, 2005
この本は、東洋と西洋のモンスターについて荒俣 宏氏が解説した作品です。東西のモンスターの解説そのものも面白いのですが(東洋の龍に9種類もの子があるなんてこの本で初めて知りました。ツバメが好物って言うのも驚いた)、「怪物」について著者が書いたエッセイも非常に面白いです。日本の古い書物から南方熊楠にまで話を広げて「恐怖が怪物を作り出す」と結論付けたり、世界中で作られてきた怪物の剥製(日本で作られたらしい人魚の剥製なんて人魚のイメージからは全くかけ離れてます。そのままホラー映画にも出てきそうです)から
鼻行類までを論じて「非在の動物たちは未来でこそその実在を証明する」(ということは、「
フューチャー・イズ・ワイルド」や「
アフターマン」で語られる未来の動物たちもまた怪物なわけですね)と述べたりして、読み進めていくうちにワクワクしてきました。最後の方に作者と別役実氏と水木しげる氏の対談が載っているんですが、読んでいて別役実氏だけモンスターを感覚ではなく頭だけで考えて発言しているようで、三者三様の考え方がなんとなく感じられて可笑しいです。
*この作品で語られる
ジャカロープも凄いです。初めてこいつの写真を見たとき、ジャカロープではなくて自分がひっくり返りそうになりました。
*ちょっと(いや、かなり)テイストは違いますがボルヘスの「幻獣辞典」もこの手のものが好きな方には良いかも。
 | 幻獣辞典 ホルヘ・ルイス ボルヘス マルガリータ ゲレロ Jorge Luis Borges Margarita Guerrero 柳瀬 尚紀
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January 10, 2005
 | 眼下の敵 クルト・ユルゲンス ハロルド・ロッソン ロバート・ミッチャム アル・ヘディソン ディック・ポウエル D.A.レイナー
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第2次世界大戦時の南大西洋。ドイツの潜水艦Uボートは敵国の暗号文書を受け取るため目的地に向かっていたが、米国駆逐艦ヘインズ号に発見される。ここに海の男たちの命を賭けた戦いが始まった...。
第2次世界大戦時の米軍対独軍の戦争映画というとドイツ側を思いっきり鬼畜に描いているんじゃないかと思ってましたが、この作品は全く違う描き方をしていました。自分の命を賭けて死力を尽くす男たち。駆け引きは戦術だけでなく、心理戦にも及びます。駆逐艦(艦長を演じるのはロバート・ミッチャム)は爆雷攻撃でUボートを狙い、Uボート(こちらの艦長を演じるのはクルト・ユルゲンス)はわざと潜水艦内で大きな音を立てて敵を油断させ、魚雷攻撃で駆逐艦を沈める機会をうかがう...。まるでチェスの試合を見ているようです。そして、駆逐艦とUボートのどちらの艦長もただ戦術と駆け引きに長けているだけでなく、人間味にあふれているところも見せてくれます。ロマンスは全くありませんし(登場するのは野郎だけです)、最近の映画のように派手な爆発シーンで見せ場を作ると言うわけでもないですが、文句なく海の男たちのスポーツマンシップにのっとった死闘を楽しめる戦争映画です。
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January 09, 2005
1991年にアルプス山中で発見された凍結ミイラ。当初は遭難者の遺体と思われたが、鑑定が進むにつれてこのミイラが5000年間のものであることが明らかになる。彼、「エッツィ」はどこから来たのか?
アルプスで発見された5000年前のミイラ。発見当時はヨーロッパでかなり評判になったそうです。遺体はエッツィとニックネームを付けられ(「アイスマン」とも呼ばれています)、遺体の状態や遺留品が詳しく調べられました。その結果、エッツィがどこから来たのか断定は出来ないにしても何を生業にしていたのか、どのようにしてアルプス山中で最期を遂げたのかなどかなりのことが分かっています。非常食や弓矢も携行していたようなので、山を何日も歩くことには慣れていたようですが、衣服から考えるとちゃんと準備をしてアルプスに入ったわけではなかったようですね。そしてエッツィの最期はというと...あまり楽しいものではなかったようです。科学的分析結果も駆使して、考古学の本というよりは歴史ミステリーの謎解きを楽しめる作品です。
*検索してみたら、
エッツィの遺体から採取したDNAの解析結果が見つかりました。これを読むとエッツィはアルプスより北のヨーロッパ人の系統に属するようですね。
*偶然発見された遺体が詳しく調べてみると予想をはるかに超えた昔のものだった...というと、「
星を継ぐもの」を思い出します。こちらはSFですが。
*同じテーマを扱った本に「アイスマン―5000年前からきた男」があります。こちらの方が入手しやすいかも。
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January 08, 2005
南海の孤島ファロ島から見世物にするためにつれてこられたキングコング。折も折り、北極の氷が融けてゴジラが蘇ってしまう。みたび日本を襲うゴジラに、日本政府はキングコングをぶつけて共倒れを図るが...。
第一作「
ゴジラ」では戦争への怨念を背負って登場したゴジラも、この作品では完全にエンターテインメント路線に転向です。大タコもなんなく八つ裂きにしてしまうパワーの持ち主のキングコング。しかしこれだけではゴジラの放射能火炎に対抗するにはちときついというので(と、コングが思ったかどうかは分かりませんが)驚異の帯電体質を身に付けます。これに対して持ち前の放射能火炎とパワーで対抗するゴジラ。2頭の対決の場となった熱海城はボロボロです(映画ではこのシーン、どこか子供が積み木の城をはさんで大騒ぎしてるように見えますな~)。2頭の対決の結末もお約束と言った雰囲気がありますが、豪華キャスト(怪獣だけでなく俳優も)の揃い踏みを楽しめる作品です。
*ところでこの映画で最強なのはキングコングでもゴジラでもなく、実は多胡部長だろと思うのは私だけでしょうか。キングコングだけでなくゴジラも商売のネタにしてしまうあの根性には脱帽です。
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December 27, 2004
世界中にネットワークを張り巡らす宅配便。チャックは宅配便の企業でシステムエンジニアとして働いていたが、飛行機の墜落事故によりただ1人無人島に流れ着く。木と水以外は何もない島でチャックのサバイバルが始まった...。
某世界的宅配便企業とのタイアップ映画です(日本だと、「魔女の宅急便」をヤマト運輸が応援するようなもんでしょうか)。主人公はそこがロシアだろうがなんだろうが分刻み(いや、秒刻みかも)のスケジュール管理に走り回るエンジニア。飛行機で南米に向かう途中でなんと飛行機が墜落してしまいます。無人島に流れ着いたのは主人公だけ。ともかく食べて生きていかねばなりませんから主人公の必死のサバイバルが始まるわけですが(木を切っていて怪我をするんですが、ホントにあれは痛そうです)...。当初はとにかく生きることが最優先ですから無我夢中で月日が過ぎていきますが、ある程度落ち着いてくると自分が1人でいることが身に沁みてきます。それまでの時間に追われる生活が180度ひっくり返ってしまいますから、考える時間だけはたっぷりとありますし。レベルはかなり違いますが、それまで時間に追われて仕事をしていたのが急に仕事を辞めるとかなり似た感じになります(考える時間が急にしかもたっぷりと出来ますから、考えなくてもいいことまで考え始めちゃうんですよね)。主人公は4年間のサバイバルの末になんとか島を脱出し救助されるんですが、そこで彼を待っていたのはハッピーエンドとはいえないほろ苦い現実でした。
*主人公の唯一の友だったウィルソンがいい味出してます。
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December 25, 2004
戦国時代の日本。大蛇丸に父と忍術の師を殺された雷丸は復讐のため忍術の修行に励む。そして自雷也と名乗り、大蛇丸に戦いを挑むが...。
忍者映画プラス特撮怪獣の楽しい映画です。忍者者につきものの、主人公に禁じられた恋をする娘もしっかり出てきます(この作品では大蛇丸の娘という設定になってました)。前半は忍者もので、忍術合戦を見るのも楽しいですが、クライマックスで出てくる怪獣たちも楽しいです。自雷也(雷丸)はガマに、大蛇丸は竜にそれぞれ化身して戦うのですが、どうしても竜のほうがかっこよく見えてしまいますな~。実際に竜のほうが強くて、主人公扮するガマは負けそうになります。主人公の設定が自雷也だからどうしてもガマに化身するしかないんでしょうけど。ガマ(蛙)、竜(蛇)とくると三すくみでナメクジが出てきそうですが、さすがにそれでは絵にならなかったのでしょう。主人公に恋する娘はクモに化身して主人公を助けます。忍者ものと怪獣の両方が好きな方には楽しめる映画です。
*主人公を演じているのが若き日の松方弘樹氏だったというのはつい最近になってから知りました。
*この映画に出てくるガマですが、どこかでお会いしたような...と思っていたら、「仮面の忍者赤影」にも出演していたのだそうです。あの作品も忍者プラス特撮怪獣の楽しい作品でした。
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December 13, 2004
ヒエログリフというのは古代エジプトで使われていた文字の一種で、「聖刻文字」とも呼ばれています。ピラミッドや王の棺に刻まれているようです。この作品は、ヒエログリフそのものの解説というよりはヒエログリフをめぐるエピソードを紹介しています。
ヒエログリフのアルファベットも載せられていますのでこの本だけでも自分の名前をヒエログリフで書くことくらいは出来そうですが、むしろ古代エジプトの文学作品「シヌヘの物語」や、古代エジプトでは文字の読み書きが出来る人間はごくわずかしかいなかったこと(このため、読み書きの出来ない人々が見よう見まねで作った「ヒエログリフもどき」なんてのもあるそうです)などのエピソードが面白いです。日本にも古代エジプトのコレクションを展示している美術館があるというのもこの本を読んで初めて知りました(倉敷の大原美術館やブリジストン美術館などにコレクションがあるそうです)。古代エジプトやヒエログリフに興味があって、ある程度背景も知っている人には楽しめる本だと思います(ヒエログリフを読んでみたいと言う人には期待はずれだと思う)。
*ヒエログリフに関しては日本でもたくさんの本が出ているようです。
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November 22, 2004
夏姫春秋〈下〉
春秋戦国時代、王室に生まれた少女・夏姫は実の兄と通じてしまう。その後も多くの男たちが夏姫に群がるが、男たちは次々と身を滅ぼしていった。最愛の息子さえ失ってしまった夏姫は絶望のふちで楚国の巫臣に出会う...
春秋戦国時代の中国で絶世の美女とうたわれた夏姫の物語です(だっきとか楊貴妃は知ってましたが、夏姫のことはこの本を読むまで知らなかった...)。少女の頃から実の兄と通じ、成長してからも多くの男たちが彼女に群がり、そして破滅していきます(実の兄も国王にはなりましたが結局殺されます)。あるときなど、夏姫に通じていた男同士で夏姫の肌着をわざわざ身に着け、お互い見せ合って喜んでいたそうです(えらく生臭いですね)。こんな姿を見せ付けられては息子はたまらないし、それがまた夏姫が息子を失う原因ともなっていくのですが...。これだけ聞くと夏姫は男を手玉に取り続けた妖女じゃないかと思ってしまうのですが、どうもご本人はずっと受身で、ただ大きな欠落があったためにそこに男たちが惹かれて自滅して行ったのではないかというのがこの本の作者の考えです。夏姫はようやく巫臣と出会い、自分にあった大きな欠落を払う儀式を受けます。これでおそらく彼女は美しくはあっても普通の人間の女性に戻ったのでしょう。
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