April 15, 2005
この本は、著者たちがアメリカの億万長者を対象としてどういう人が億万長者になるのか、億万長者に共通する傾向はなんなのかを調査した本です。億万長者というと豪邸に住み、贅沢な暮らしをして金を湯水のように使う...というイメージを持っていましたが、この本を読むとどうも実際のイメージは全く違うようなのです。この本に出てくる金持ちたちは質素な暮らしをし(なので当然収入以下の金額で生活しています)、普通のお金持ちではない人々と同じレベルの暮らしをしています。若いうちからせっせと仕事に励み、社会的ステータスはそれほど高くないが着々と資産を増やしてきたという人たちが多いようなのです。親から受け継いだ資産で暮らしている人が多いのかと思えば実際には早くから独立して親を当てにせずに成功した人が多いというのも意外でした。アメリカというと金持ちが多いというイメージを持っていたのですが、それも1代限りのことで、代々金持ちでいるのは難しいことなのかもしれません。金持ちの子供たちの多くが親とは違って専門職に就くことが多いというのもまた意外でした(ただ、専門職に就くためには時間がかかるし、専門職に就くまでに収入以上に使ってしまうライフスタイルを身につけることが多いらしいので、独立するのはともかくとして金持ちの子供たちが独力で金持ちになるのは難しいのかも)。収入以上に使っていれば金はたまらない、贅沢なライフスタイルと資産は両立しないという当たり前のことを痛感させられる本です。
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April 09, 2005
自らの惑星を核戦争で失い、移住先として地球に狙いを定めた異星人・ミステリアン。人類は地球防衛軍を組織し、ミステリアンに対抗するが...。
地球を第二の故郷とするため富士山麓を占領し、地球人の女性まで要求してくるミステリアン(ミステリアンの女性は戦争で死に絶えたのか?)。ロボット怪獣モゲラを駆使し、人類に要求を突きつけてきます。対する人類の切り札がマーカライトファープ(「
フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」に出てくるメーサー殺獣光線砲を大型にしたような奴ですな)とアルファ号・ベータ号でした。大地を踏み潰しながら迫るモゲラ、ミステリアンの居住ドームにマーカライトファープから発せられた光線の炸裂(しかもミステリアンの反撃によってマーカライトファープが1基また1基と使えなくなり、ハラハラさせるところもうまいです)!画面狭しと超兵器が大活躍するんですが、よく考えると勝負を決したのは兵器ではなかったりします(ではどうやって人類がミステリアンを撃退したのかは映画を観てのお楽しみ)。それでも超科学兵器の大活躍を楽しめる空想科学映画です。
*ところでミステリアンは地球人の女性を要求したところから見ると野郎だらけなのだろうと思いますが、異星人の設定をそっくりひっくり返したのが「怪獣総進撃」に出てくるキラアク星人です。もっともキラアク星人は地球の男を要求はしなかったようですが。
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April 03, 2005
戦国時代。上杉謙信のために働く女忍び・お蝶。彼女は川中島の合戦、姉川の合戦のかげで忍びとして戦い続ける...。
池波正太郎氏による戦国期の忍びを描いた小説です(氏の一連の戦国期の忍びたちを描いた小説は登場人物が重なり合ってますが、歴史上の時間軸で言うとこの作品が最初に来ると思います)。上杉謙信に心酔した主人公は川中島の合戦では武田信玄の命を狙い、姉川の合戦では織田信長の命を狙います。忍びと言っても相手の屋敷に潜入して諜報活動を行うだけでなく、戦場に赴いて敵方の大将の命を狙うこともあったようですね(池波正太郎氏の小説では「戦忍び」という言葉で表現されています)。活動の仕方も戦場に武器を携えて敵方の対象を待ち伏せるとか、女忍びの武器を生かして相手の男を篭絡し、男のつてで屋敷に侍女として潜入するなど多彩だったようです(もっとも主人公の場合は篭絡する相手の男は趣味で選んでいたし、任務が終わっても思い出したように相手と付き合ったりしていたようですから趣味と実益を兼ねていたのかもしれません)。SFXまがいの忍術は全く出てきませんが、戦国期の忍びたちの活躍をリアルに感じられる作品です。歴史ものと忍者の両方に興味のある方にお勧めです。
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March 26, 2005
ある日突然自分が動物と話を出来る能力を持っていることに気づいたドリトル医師。うわさを聞きつけた動物たちが次々に彼のところにやってきて...。
子供の頃に持っていた能力をある日突然思い出し、動物と話が出来るようになった主人公。飼い犬ラッキーやモルモットとの会話が笑えます(たまに走っている車の窓から頭を出して道路をじっと見ている犬を見かけますが、やっぱり「線線線線...」と思ってるのだろうか)。自殺願望のあるトラやアル中のサルとの会話も笑えますが、一番笑ったのはドブネズミコンビとの掛け合いです。ドブネズミコンビの喧嘩を見物して呆れている主人公にいきなり食ってかかるネズミたち。そのネズミたちとマジになって口げんかする主人公。周りから見るとキーキーわめくドブネズミに主人公がなにやらののしっているようにしか聞こえないのもおかしいです。ドブネズミコンビの1匹が病気になって、彼を助けるために主人公が人工呼吸をしようとするところも爆笑ものです(実はオナラが出なくて苦しんでただけだったので、主人公の真剣さとあっけない解決のミスマッチがナイスです)。ラスト近くで主人公の勤務する病院を巡るエピソードはなくても良いような気がしますが、家族そろって楽しめる動物コメディです。
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March 21, 2005
戦国時代。国を守る守護神の伝説が語り伝えられている国で謀反が起き、城主が殺された。城主の遺児たち兄妹は復讐の機会をうかがいつつ成長するが、兄が捕らえられてしまう。妹の命を賭けた祈りが通じ、伝説の大魔神が姿を現して...。
ゴジラその他の空想科学特撮映画で人気を博していた東宝に対抗すべく、大映は全くカラーの違う特撮映画を世に送り出していました。一つはガメラシリーズ。そしてもう一つがこの大魔神です。守護神の像の額に侍たちが釘を打ったときに流れる血。そして城主の遺児の命をかけた訴えに感応して顕現する大魔神...。このシーン、神々しいというよりは怖いです。特に守護神のハニワみたいな顔が憤怒の顔に変わるところ、ただ腕を顔の前にかざすと表情が変わるだけなんですが、表情の落差が強烈です。このあと大魔神は城を破壊し、謀反人に自分の打たれた釘をお返しして(このシーンも結構怖いですな)なおも怒りを静めずに国を破壊しようとします(つまり、正義の味方でもなんでもなく、荒ぶる神として人間どもの思惑なぞ知ったこっちゃないという事なんでしょう)。城主の遺児の祈りによりようやく怒りを説いて元の神像に戻るわけですが、この大魔神もまた人間の思惑なんぞ関係ないところで破壊の限りを尽くすと言う点では東宝の生み出した怪獣たちとかなり似た所があるのではないかと思います。お子様が観ると結構トラウマになるかも。
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March 18, 2005
この本は、かつて地球の周りを回っていたロシアの宇宙ステーション「ミール」に438日間連続して滞在した記録を持つ(通算では679日間)筆者が宇宙に滞在中の自身の経験や、宇宙で人間が生きるためにミールにはどのような機能があったのかなどについて書いた本です。宇宙から地球を眺めていたときに銀色の妙な雲が見えて、あとで地上と交信して調べてもらったら地上で大地震が起きていたとか(よく話題になる地震雲とは色が違うようですが、他の宇宙飛行士もこの銀色の雲を目撃したそうです。ただ、雲を目撃してもどこで大地震が起きたのかまでは残念ながら分からないようです)、ミールでトイレはどうしていたのかなど面白い話が多いです(下痢のときはどうなんだろうと余計な心配をしてしまいました)。意外だったのは宇宙ではげっぷが出ないと言うくだりで(重力がないので飲み込んだ空気と飲み物・食べ物が混ざり合ってしまい、空気として出てこないらしい)、お腹が張って非常に苦しい思いをしたそうです。においの問題もあるので空気清浄機の近くへ行ってオナラとしてガスをようやく出したというあたりは読んでいて笑ってしまいました。
宇宙に長期間滞在した記録を持つ筆者らしく、自身の経験から、十分な対策をすれば人間は火星への長い旅にも耐えられると結論付けています。筆者がこの本を書いた頃は確かロシアの状況が非常に悪くて宇宙開発の分野でも厳しい状態が続いていたと思いますが、
ロシアが火星への有人宇宙飛行に向けて模擬試験の準備を進めているという記事などを読むと、ロシアの宇宙開発の関係者は苦しい時期を抜けて国際宇宙ステーション(
ISS)の次のミッションの準備を着々と進めているんだなとうらやましくなります。
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March 14, 2005
 | 地底探検 パット・ブーン ヘンリー・レビン ジェームズ・メイスン アーレン・ダール
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19世紀末。地質学者のリンデンブルク教授は偶然にも地底世界への道しるべを発見する。教授は学生のアレックス、未亡人のカーラと共に探検の旅に出るが...。
休火山から地底へと降りて見ると、そこには想像もしなかったような世界が広がっていました。熱のない光で輝く洞窟、巨大キノコ、(どういうわけか)地底に広がる海(いったいどこから水が来てるんでしょうか?)。そしてかつて繁栄を誇りながら滅びてしまった都市。観ていて一番楽しいのは、背びれの生えたトカゲたちです(特典映像で予告編を観ていたら「ジャイアントカメレオン」ってしっかり書かれてましたが...どうみてもカメレオンじゃないよ、ありゃ)。最初は1匹だけかと思ったら後から後からわさわさわさわさと出てきて、カーラに迫るのです。で、カーラも逃げようとして転んで、叫び声をあげて気絶してしまう(このあたり、お約束ですね~)。トカゲは幸いにも手製の槍で突いたくらいで簡単に倒せるのですが、他のトカゲたちが死んだ仲間のところに寄ってきて一斉に死体を食べ始めるところは(今から見ればグロ描写じゃないんですが)やはり怖いものがあります。地下に広がるワンダーランド、失われた文明、怪獣たち。古き良き時代のSFを楽しめる作品です。
*この映画、アヒルがいい味出してます(なぜ地底探検にアヒルを連れて行くのかはおいといて)。
*この作品の原作(だったと思う)がジュール・ベルヌの「地底探検」です。映画を観て気に入った方はこちらもどうぞ。
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March 07, 2005
春秋時代の中国。晋国の公子として生まれた重耳は、王位継承にまつわる争いで兄が殺されたことから国外に亡命し、長い年月を付き従う家臣と共にさまよい続けるが...。
晋の公子として生まれ、跡継ぎの兄がいたのですからそのまま行けば主人公は平凡な一生を送るはずでした。しかし、父王が寵姫に産ませた子に心を奪われるようになって運命が変わっていきます。兄は殺され、自分も身の危険を感じて国外へ亡命...。はしっこい弟が先に母国に戻って即位したりして亡命期間は数十年にわたり、このまま一生を終えるのかと思うときに思いがけなく帰国して即位できるようになったのです。即位してからは晋を強国とし、「晋の文公」とたたえられるようになったと言うのですから運命はどう変わっていくか分かりませんね~。読んでいて印象に残ったのは、亡命中に他の国に暖かく迎えられ、その国で妻も迎えて、主人公がもうその国で一生を終えようかと思うくだりです。長い間苦しみ続けたあとにようやく落ち着き先を見つけたとき、そこからさらに進んで自分の本来の目標に進むことが出来るのかどうか。苦しみが長ければ長いほどまた苦労して本来の目標に向かっていこうとするのはとても難しいのだと思います。主人公の場合には家臣たちに叱咤されたおかげで最後には母国に戻って即位したわけですが、つい自分だったらあそこまで踏ん張れただろうかと考え込んでしまいます。
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February 27, 2005
大国によるにらみ合いと軍備競争が続く近未来の地球。その地球にある日突然、異星人の大船団が現れた。異星人はたちまち地球を掌握し、地球は異星人の管理と指導の下に発展を続けるが...。
異星人の指導の下に冷戦も解消し、人類は発展の道を歩むと言うよく考えてみるとかなり情けない状態で物語は続きます(もっともアメリカ人あたりは優れた存在の管理と指導の下に人類が発展するなんていうシチュエーションを好みそうですが。自分たちが他の国に駐留して管理と指導をやってるようだし)。人類を指導しながら、自分たちは決して姿を見せようとしない異星人たち(後になってその理由が分かるわけですが)。そして、異星人たちもまたより高度な存在からの指示によって人類の発展を促しに来たに過ぎなかった事実が明らかになります。なぜそこまでして人類の発展を促すのか?資源が欲しいだけなら人類を指導する必要はないはずだし、労働力ならロボットで十分なはずです。物語が終盤に近付くにつれて異星人たちの真の目的も、この作品のタイトルの意味も分かってきます。ただ、人類は本当に幼年期を終えて次のステップへ進むだけの資格のある種族なのだろうかと読み終えてからしばらく考え込んでしまいましたが...。
*ところでこの作品、以前は「地球」がなくて「幼年期の終わり」というタイトルだったような。
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February 05, 2005
小さな島で生まれ育ち、セールスマンとして生まれ育った町で働くトゥルーマン。しかし彼は生まれたときから自分の一挙一動がTVショーで放映されているとは知らなかった...。
誰でも他人の生活をのぞいてみたいという欲求はあるのでしょう(だから芸能番組やゴシップネタが大流行なのだと思います)。しかし、自分のやることなすことが、しかも生まれたときから全てTVで放映されていたとしたら...。この映画の主人公はまさにそんな状態に置かれていました。幼い頃に海岸で怖い思いをしたため(たぶんTV局が故意にやったのでしょうが)、島を出ることは旅行どころか就職でも考えようともしない主人公。優しい妻、気のおけない友人。小さいが居心地の良い町。そのどれもがTVのセットで、現実には存在しない虚構の存在でした。妻も友人たちも俳優としてTV番組に出演しているだけだったのです。気がついていないのは主演の主人公だけ。しかし、どこかおかしいことに気がついて主人公は島を出る決心をします。苦労して船出し、嵐を乗り越えて島を出た主人公が見出したものは...。自分が現実だと信じていたものが実は虚構に過ぎなかったと分かったら自分だったらどうなってしまうのだろうかと考えさせられる作品です。
*主演のジム・キャリーはもちろんですが、エド・ハリスの演技もうまいです。彼は主人公にとって天使なのか悪魔なのか...
*自分が「現実」だと信じていたものが実は誰かの書いた脚本に沿って演技しているだけだった...というと、アニメの「THE ビッグオー」を思い出します。この作品もまた「現実ってなんだろう」と考えさせられます。
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January 31, 2005
中世ヨーロッパ。ドラキュラ伯爵(演じるのはゲイリー・オールドマン)は神の名の下に戦い大きな戦果を挙げるが、彼が戦死したとの誤報を聞いて妻が自殺してしまう。愛する者を失った伯爵は神への復讐を誓い、吸血鬼として長い年月を生き続けるが亡き妻に生き写しの女性・ミナ(演じるのはウィノナ・ライダー)と出会い...。
ドラキュラというと処女の生き血を求めて夜な夜なさまよい続け、最後には心臓に杭を打たれて退治されるモンスターという感じの映画が多かったのですが、そのイメージをかなり変えたのではないかと思うのがこの作品です。亡き妻に生き写しのミナと出会って急速に惹かれていく伯爵(数百年たっても妻を忘れられなかったってことですね。ま、本当に食事という感じであっさりと処女の生き血を吸って命を奪う一面もあるわけですが)。婚約者(演じるのはキアヌ・リーブス。影が薄かった...)がありながらこちらも伯爵に心を奪われていくミナ。二人にとってはお互いの存在さえあれば神の怒りなど問題ではありませんでした。この作品も共に地獄まで堕ちて行く、一種の心中ものといえるのかもしれません。二人を追い詰めていくヘルシング教授が悪役に見えるほどです。ラストシーンで伯爵がモンスター化してしまうのだけはちょっと残念ですが、ホラー映画というよりは恋愛映画(心中もの)と観た方が楽しめると思います。
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January 30, 2005
明治時代。高級官僚の妹・辰宮由佳理はふとした偶然から関東最大の怨霊・平将門を呼び覚まし、帝都・東京を滅ぼそうとする企みに巻き込まれることになる。人々は魔人・加藤保憲の野望を阻止できるのか?
物語は辰宮雪子をよりましとして平将門を呼び覚まそうとする加藤保憲のもくろみで幕を開けます。平将門を呼び覚まし、さらに大震災を引き起こして帝都・東京を滅ぼそうとする加藤。それに対して東京の各地に怨霊を鎮めるべく銅像を配置し、東京を盛運に導こうとする人々。帝都・東京は二つの勢力のせめぎあいの中で歴史を重ねていきます。不老不死の秘術を使ってまで長い年月を生き続け、東京を滅ぼそうと暗躍し続ける加藤。その彼が関東大震災や東京大空襲をくぐりぬけた近未来の東京で見たものは...。長い物語で特に近未来編になるとちょっとだれるところもありますが、式神とかドーマンセーマンとか風水とかに興味のあるオカルトファンには著者の薀蓄を楽しめる作品だと思います。オカルト風味もたっぷりですが(グロ描写もたっぷりです)、歴史上の人物が渋沢栄一に三島由紀夫に角川春樹氏の父親まで出てくるオールスターキャストも楽しめる作品です。最初は辰宮由佳理の義理の姉として加藤と対決し、後に加藤の妻となる(妻となったいきさつも物語の比較的最初の方で出てきますが、すさまじいです)目方恵子も印象深いです。
*この作品、何度か映画化もされています。映画としての出来はともかく、嶋田久作氏の加藤保憲ははまり役ですな~。
 | 帝都物語 勝新太郎 荒俣宏 実相寺昭雄 嶋田久作 ハピネット・ピクチャーズ 2004-02-26
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December 23, 2004
近未来。地球でさえない生活を送る主人公は広告に惹かれ、自分の好みの夢を体験できるリコール・マシンで憧れの火星旅行を体験しようとする。ところがその装置が彼のもう一つの記憶を呼び覚ますことになり...
今となってはカリフォルニア州知事となってしまったシュワちゃん主演の作品です。封印された記憶では自分は何者だったのか? 答えを求め、主人公は火星へと向かいます。今まで自分が真実だと信じてきたもの(自分の妻や友人)こそが実は全くの虚構で(主人公が記憶を取り戻しかけて混乱しているときに友人と妻だと信じていた者たちが襲い掛かってくるんですから、主人公にとっては悪夢でしょう)、封印されていた記憶に隠されていたものは...。主人公にとってかけがえのないものと、思い出したくもないような過去の自分の両方でした。そして主人公はかけがえのないもののために戦う決心をします。映画自体も面白いですが、印象に残るのが映像です。なかでも変装がばれてしまい、おばちゃんの顔が割れてシュワちゃんの素顔が出てくるシーンとか、主人公とヒロインが空気の少ない火星に放り出されて目が飛び出しそうになるシーンとか(深海魚が釣り上げられると目が飛び出ているのと同じですな)、インパクトが強すぎてストーリーがかすみそうです(笑)。そうそう、音楽もなかなかです。
*この映画の原作がP.K.ディックによる短編「追憶売ります」です。原作と映画ではかなり感じが違いますが、ディックファンには原作がお勧め...かな。「追憶売ります」は「
マイノリティ・リポート―ディック作品集
」に収録されています。
*ところで、さえない主人公が自分の好みの夢を体験できるマシンで楽しむつもりが自分の本当の記憶を呼び起こしてしまった...って、よく考えるとコブラ(原作は寺沢 武一氏のコミック)の導入部にそっくりなのでした。テイストは全く違いますが(コブラのほうはアダルトなアメコミという感じです)。
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December 18, 2004
この本はよくあるトンデモ説をあげつらって喜ぶ本ではなく、地球への小惑星衝突、深海探検、国際救助隊などもろもろの話題をテーマとした科学の解説本です。
だからと言って数式満載の本ではないのでご安心を。まじめ一方の本と言うわけでもないので、この作品の著者がお勧めのようにグラスを片手にのんびりと読むほうが楽しめる本です。どちらかと言えば科学技術に関するエッセイ集というほうが近いのではないかと思います。ま、中にはSARS=宇宙から来たウイルス説か?なんてエピソードもあるのでトンデモ説も全く扱ってないと言うわけではないですが、このエピソードも読み物として読める範囲内だと思います。
個人的に読んでいて一番面白かったのは、ロシアの宇宙開発企業、
RSCエネルギア社についてのエピソードです。この会社、半官半民の会社で以前はロシアの宇宙ステーション「ミール」、今では国際宇宙ステーション(
ISS)の中のロシア区画の運用を担当している会社ですが、この会社の中にある博物館の見学許可を取ろうとして著者がRSCエネルギア社に書いた手紙が笑ってしまいます(でもあの会社、許可を出すのにやたらともったいぶるし訳の分からない理由で許可を出さないこともあるくせに、博物館の中身は意外としょぼいんですよ。私が見たときはミールのモックアップと焼け焦げた
ソユーズ有人宇宙船のカプセルが主な展示物でした。それだって一応説明用のプラカードはありましたが、ただ置いてあるという感じだったし)。ロシアの宇宙開発だけでなく
くじら衛星や軌道エレベータの話も出てきますし、肩のこらない科学エッセイを読みたいという方にはお勧めです。
*この作品の著者は有人宇宙システム株式会社(
JAMSS)のエンジニアです。それもあってサブタイトルに「最先端宇宙科学が挑む」とついたんでしょうが、正直メインタイトルはいただけないと思う。「トンデモ科学」とつくだけでサブタイトルに何が書いてあってもスルーしてしまう人は多いんじゃないでしょうか。
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December 17, 2004
この作品は、女優ロザンナ・アークェット(「
グラン・ブルー (グレート・ブルー)」に出演)が主に同世代のハリウッド女優たちと「仕事と家庭の両立」や「仕事のとり方」について本音で語り合ったドキュメンタリーです。
女優と言うとかなりかけ離れた生活をしていると言うイメージを持っていたんですが、彼女たちの抱えている悩みは女優でもOLでも女性なら皆抱えるであろう悩みばかりで、ちょっと意外でした。もっとも彼女たちの仕事に対する不満で「40代女性と言うと実に地味な服装の役しか回ってこない。実際には仲間の女優はみんなもっとカラフルな格好をしてるのに」というところは、やっぱり女優だなと思いましたが。仕事に対する不満でも、何かの賞を取っていても年を取っていると仕事が来ない...というところはリアルでした(確かにハリウッド映画って、男はともかく女の場合は若い女性ばかりが出てくる)。30から40代くらいの女性だって映画を相当に観るでしょうから、同じ年代の女性を主人公にした映画がもっと出てきても良いと思うんですが、このあたりは不思議ですね。
*前に働いていた会社の先輩(女性)が「この映画を観て元気をもらってる」と話していたのが今も印象に残っています。
*仕事と家庭の両立に頭を悩ませ、若い子にばかり仕事が回ってくる...と憤慨していても「自分たちの仕事はクリエイティブなんだ」と誇りを持っているところがイイです。
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December 06, 2004
戦場で記憶を失った(多分)ユダヤ人の床屋(演じるのはチャールズ・チャップリン)。戦場から戻った後もナチスの迫害を受けるが、仲間たちと協力しながら生き抜いていく。ところがふとした偶然からナチスの独裁者ヒンケルと間違われ、入れ替わることになり...。
ご存知チャップリンがナチスの独裁者ヒトラーを批判して製作した映画です(製作当時はまだヒトラーへの批判が少なかったらしい)。独裁者と取り違えられた床屋がラストで語る大演説もものすごいですが、ちょっとした行き違いから自分に忠実だった将軍(モデルはロンメル将軍?)を更迭してしまい、後で「なぜ私を見捨てたのだ」といってひとり泣き出す独裁者のシーンが印象的でした。そして、なんといっても強烈な印象を残すのが、独裁者が地球に見立てた風船と戯れるシーンです。風船をもてあそぶときの独裁者の表情のなんとも楽しげなこと。しかし風船と戯れる時間は長くは続かず、風船は独裁者の目の前で割れてしまいます。このシーン、独裁者(ヒトラー)の今後を予言しているようで不気味です。
*独裁者がユダヤ人の床屋と瓜二つだった...というところで、手塚治虫氏のコミック「アドルフに告ぐ」を思い出しました。こちらの作品もお勧めです。
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November 27, 2004
古代ギリシア。スパルタ王妃ヘレンはトロイの王子パリスと恋に落ち、夫のもとを去ってパリスと共にトロイへ逃げてしまう。激怒したスパルタ王はギリシア全土に呼びかけ、ヘレンを取り戻すためトロイへと攻め寄せる...
絶世の美女ヘレンをめぐって起こった、古代の一大戦争の映画化です(昔は伝説だと思われていたそうですが、シュリーマンによってトロイの遺跡が発掘されたためトロイが実在したことが分かったのだそうです)。ヘレンを演じる女優さんが非常に美しく、これなら争奪戦が起こっても無理ないな...と思わせます。もちろんこちらの映画でもアキレスの活躍が描かれるんですが(ただの乱暴もののオヤジに見えますが...いくら親友を殺されたからと言って、トロイの大将ヘクトルに対してあの扱いはないでしょ)、この映画でのアキレスは脇役で、あくまでもヘレンとパリスの恋に焦点が絞られています。そしてクライマックスの有名な「トロイの木馬」。王女カサンドラの制止にもかかわらずトロイの王は木馬を城内に引き入れてしまうんですが、この痛恨の過ちによってトロイは滅びてしまいます(ま、もとはと言えばヘレンが原因なんですが)。禁じられた恋から迫力の白兵戦、そして燃えさかるトロイへ...。もとになった物語を知らなくても楽しめる映画です。
*ところでこの映画、以前は「トロイのヘレン」というタイトルだったような気がするんですが。
*この映画の元になっているのがホメロスの叙事詩「イリアス」です。古代ギリシアの神々も戦争に参加してさらにややこしくなってますが、こちらも面白いです。
イリアス〈上〉
イリアス〈下〉
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November 20, 2004
この本は古事記(国造りの神話から推古天皇の代まで)のエピソードを解説した本です。「古事記」「日本書紀」というと、高校生のとき日本史の授業で習ったなとか因幡の白兎くらいしか思いつかなかったのですが、いやあ、征服のために戦って、感情の高まりを歌にうたって、情熱のままにSEXしてとおおらかですねえ。国造りの話で「成り余れる処を成り合はぬ処に刺し塞ぎて」なんて、読んでいて思わず笑ってしまいました。もっともおおらかと言うのは欲望がストレートに出てしまうことにもつながるようで、古代で権力闘争に負ければ一族皆殺しにもなりかねませんが(日本人は温和なんていいますが、奈良時代の初めくらいまでは権力闘争に負ければ当然のように殺されたり自殺に追いやられたりしていたようです。聖徳太子でさえ、息子の代になって蘇我氏に攻められて一族全て自殺に追いやられてますし)。
また、物語として面白いと言うだけでなく、古事記を作った側の事情もなんとなく見えてきて面白いです。自分の先祖の話はさりげなく飾り立てて盛り込んでるとか...古事記を読むと、逆に古事記が作られた頃にどの氏族が勢いを持っていたかも分かりそうです。
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November 15, 2004
ニューギニアからオパールと間違えられて日本に持ち込まれたバルゴンの卵。それは日本で孵化して、京阪神地区を暴れまわる。そこに宇宙から舞い戻ってきたガメラが現れ、2頭は戦い始めるが...
昭和ガメラシリーズの2作目、ガメラ対バルゴンです。背中から発する7色のプリズム光線と冷凍液(なんでニューギニア生まれなのに冷凍液を出すんだろう?)を武器とするバルゴンに対するのはガメラ。シリーズ第1作(白黒でした)で宇宙に追放されたはずですが、偶然隕石によって宇宙船が破壊されて地球に戻ってきます。この2頭が戦い始めるわけですが、地球を守るとか小難しいことを言わずに戦い始めるところがいいです。シリーズの他の作品と違って子供向けにもなってませんし。狂言回しとしてオパールを横取りしようとしてオパールごとバルゴンに食われるギャングも出てきます。冒頭の秘境探検的なムードから途中では犯罪映画的な色合いも入ってくるせいか、映画全体がダークな色合いを帯びていると思います。お子様向けとは言いにくいですが、特撮映画好きな方にはお勧めです。
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November 05, 2004
新聞社社長令嬢のメラニーはたまたま知り合ったミッチに会うためサンフランシスコ近郊の村を訪れるが、乗ったボートで一羽のカモメに襲われる。それが恐怖の始まりだった。翌日、カモメ、カラスなどあらゆる鳥の大群が人間に襲い掛かってきた...
ヒッチコック監督の恐怖映画です。この映画、やたらに残虐なシーンが満載というわけでもなく(ないとは言いませんが)、スプラッタな描写や絶叫があるわけでもないのですが、やはり怖い。この怖さは昨日まで自分にとって当たり前だった風景がいきなり自分に向けて、何の理由もなく牙をむいて襲いかかってきたことにあると思うのです。最近のアニマルパニックものだと「遺伝子組み換えされた○○が...」とか、少し前なら「工場からの排水で突然変異した××が...」とか、動物たちが人間に襲い掛かってくる理由がなにかしら説明されていたのですが、この映画では説明は一切なし。なぜカラスやムクドリが群れをなして人間に襲いかかってきたのか、誰にも分かりません。理由が全く分からないところが恐怖をかきたてます。例えば昨日まであなたが投げるパンくず目当てにベランダまで遊びに来たスズメが、今朝になって突然にあなたに襲いかかってきたら...
*特典映像を観ると、実はラストにはもっと救いのないエンディングが絵コンテ段階で考えられていたそうですが、そのエンディングが加わっていたらさらに怖さアップだったかも(今のエンディングはちょっと尻切れトンボのような感じを受けましたから)。
*平和な日常にある日突然襲いかかる悪夢...という点ではスティーブン・キングの「霧」(「スケルトン・クルー」に収録されています)を思い出します。悪夢もキングらしく味付けされてますが、こちらもお勧めです。こちらはかすかな(本当にかすかな)希望を持たせるエンディングとなっています。
スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員
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October 24, 2004
第六天魔王信長〈下〉織田信長
「第六天魔王」というのは、仏典に出てくる悪魔の王で、仏教修行者を色や欲で惑わしその修行を妨げる悪魔なのだそうです(確か釈迦の修行を最後まで妨害し続けたとか何かの本で読んだ気がする)。武田信玄から来た手紙に「天台座主沙門信玄」と署名されていたのに対抗して織田信長が自らを「第六天魔王信長」と署名して返信したのだそうです(この呼び名をご本人は気に入っていたみたいですね)。
主人公は殺さなければ殺される、隣国を攻めて領土を広げていかなければ隣国から攻め込まれるという過酷な戦国の世に生を享けます。信じられるものなど何一つなし。いや、主人公の場合にはありました。竹千代(のちの徳川家康)との心の通い合い(後年になって猿=のちの豊臣秀吉も信じられるものに加わるのですが)。主人公は親兄弟にすら殺されかけます。今川義元を撃破し、武田家を長篠の合戦で破って天下人への階段を駆け上っていく主人公ですが、心には深い傷を負ったままでした。その傷が敵に向かえば「敵を練りひばりのようにすりつぶしてやる」と言うほどの憎悪になり、竹千代に向かえば自分と家族のどちらをとるのかという叫びになるのですが(家康は信長の猜疑にあって妻子を殺させる羽目になります)、常識人の明智光秀にはそれが最後まで理解できませんでした。そして理解できないまま主人公と明智光秀は本能寺を迎えます。主人公は自分が愛してやまなかった炎の中に消えていくのですが、傷つき病んだ魂を救ってやるには現世のくびきから解き放つしか手段がなかったのかもしれません。
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October 21, 2004
南太平洋の孤島・オベリスク。日本から来た調査団は、島の少年の止めるのも聞かず巨獣・ガッパの子供を捕獲して日本へ連れ帰る。怒り狂った親ガッパは子供を取り戻すため日本に襲来。日本はガッパによって蹂躙される...
日本の怪獣映画というと東宝や大映を思い浮かべてしまうのですが、当時の怪獣ブームに対抗して日活や松竹でも怪獣映画を送り出していたのです。そのうち日活が製作したのがこの「大巨獣ガッパ」です。このガッパ、親子愛や夫婦愛を強調するためかどことなく可愛らしい造形になっています(それでも陸海空で大暴れしますから実力は十分です)。親ガッパは子供に食べさせるためにタコをくわえて日本にやってくるし(このタコ、なんとなくユデダコっぽいんですが熱線で調理したんでしょうか?)、親子対面のシーンも泣かせます。なんせガッパ自身まで泣いてしまうんですから。ラストは親子仲良くふるさとへ帰っていくシーンで終わるんですが、オープニングの主題歌「がっぱ~、がっぱ~」と島の少年の「いけない、ガッパ怒る!」がいつまでも耳に残って離れない映画です(笑)。
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